《本記事のポイント》

  • 「一帯一路」に潜む中国の野望
  • スリランカでは反対運動、インドは代表派遣の見送りという反発も
  • 日本は舵取りを迫られている

中央アジア、中東、欧州を結ぶ中国主導の経済圏構想「一帯一路」に関する国際会議がこのほど閉幕した。

「一帯一路」構想は、中国の習近平・国家主席が2013年に提唱したもので、西アジアから中国につながる陸路を「一帯」、中国から南シナ海を通って地中海に至る海路を「一路」とした大規模な経済構想だ。

習氏は閉幕後の記者会見で「一帯一路は開放的だ。イデオロギーによる線引きは行わず、政治は持ち込まない」と主張。採択された共同声明には、「あらゆる保護主義に反対する」との表現が盛り込まれ、中国はこの会議を通じて、"保護貿易"的な政策を進めるアメリカに対抗しようとしたという見方も出ている。

「一帯一路」に潜む中国の野望

一見、友好的な姿勢をアピールし、経済圏を拡大しようとする中国の動きには警戒が必要だ。

一帯一路構想には、中国がインフラ支援を通じた経済協力で、人民元の流通を増やすことや、海洋に対する影響を拡大させたい思惑が考えられる。

このような思惑を持つ中国に反発する動きが起きている。

例えばスリランカは、道路や鉄道建設などを中国資本によって賄ってきた。だが、今年の初めに、中国資本による港湾建設への反対運動が起き、「中国の植民地化」の懸念が同国内で広まった。

またインドは、今回の国際会議への代表派遣を見送った。中国とパキスタンが協力する経済回路の建設地が、インドとパキスタンが領有権を巡って争うカシミール地方と被っていることに懸念を示したためだ。

各国は、一帯一路構想に中国の覇権の意図を読み取っていると言える。

舵取りを迫られる日本

今回の会議には、自民党の二階俊博幹事長が参加した。二階氏は一帯一路構想について、「最大限の協力をしていく」と述べ、構想の資金面を支えるアジアインフラ投資銀行(AIIB)の参加についても、「可能性がある」とした。

だが、中国が南シナ海を聖域化する可能性を考えると、経済的のみならず、国防的な観点からも、日本は対策を取る必要がある。その点、日本に期待される賢明な判断とは、リーダーシップを取ってアジア諸国との連携を強めていくことだ。

大川隆法・幸福の科学総裁が、昨年1月に収録した台湾の蔡英文総統の守護霊霊言。その中で蔡氏の守護霊はこう述べている。

『一帯一路』構想を破るためには、やっぱり、台湾とスリランカ、インドあたりにしっかりと楔を打ち込んで、さらに、フィリピンに対して、しっかり国策で応援しておかないといけないでしょう。挟み撃ちですね。(中略)自由主義圏のほうの考え方をもう少し広げていかないと……。これは、大きな戦いだと思いますねえ

"経済協力"という皮を被った中国の覇権主義に対抗するために、日本は、自由主義経済を推し進め、東アジアの平和の維持に責任を持つ強い姿勢が求められている。(詩)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『緊急・守護霊インタビュー 台湾新総統 蔡英文の未来戦略』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1631

【関連記事】

2016年5月20日付本欄 台湾で蔡英文氏が総統に就任「日米などの民主主義国と全方面の協力を進める」

http://the-liberty.com/article.php?item_id=11345

2017年5月6日付本欄 ASEANに4兆円投資 日本はアジアの経済リーダーを目指せ

http://the-liberty.com/article.php?item_id=12964