glen photo / Shutterstock.com
台湾で、中国を警戒する新しい政権が発足した。
1月の台湾の総統選で当選した民主進歩党の蔡英文主席は20日、台北市内の総統府で宣誓し、第14代総統に就任した。
就任演説で蔡氏は、中国との両岸関係の安定維持に取り組む一方、日米や欧州など「共通の価値」を持つ民主主義国との「全方面の協力」を進める考えを示した(20日付産経新聞電子版)。
中国の「一つの中国」原則については直接的に言及せず
就任演説では、台湾を中国の一部とする「一つの中国」原則について、蔡氏がどう言及するか、が注目されていた。
台湾を併合したいと考える中国は、「一つの中国」原則と、その原則を確認したとされる「1992年コンセンサス(合意)」の受け入れを蔡氏に迫っていた。
しかし、蔡氏は、92年に中台双方の窓口機関が会談した事実を「尊重する」と述べるにとどめ、合意には言及しなかった。その一方で、「両岸関係(中国と台湾の関係)の安定維持に取り組んでいく」と述べ、中国にも配慮する姿勢を見せた。
アジアの平和維持における台湾の重要性は大きい
今回、台湾のトップになった蔡氏も、中国からの圧力で、本音を語れないのだろう。
大川隆法・幸福の科学総裁は、蔡氏の当選後の2月7日、「蔡英文氏の守護霊霊言」を収録し、「本音」を引き出した。この中で蔡氏の守護霊は、台湾が抱える問題の乗り越え方を示した。
まず、国民党の馬英九政権下の8年間で、中国経済に過度に依存してきたことによる、台湾の経済問題ついては、「中国と取引しなくても、日本と繋がっているだけで、台湾は十分生きていける」として、次のように述べた。
「 日本側の陣営に入っていたことが(台湾の)繁栄のもとで、つまり、『親日であることが繁栄のもとだ』と思いますね。だから、親日であることが、欧米文化にも繋がる考え方を維持できることだと思うので。どちらの文化圏に入るかは大きいね 」
また、中国がアジアで覇権を拡大する流れについては、自由主義圏の考え方を広げ、『新大東亜共栄圏』をつくる必要があるとして、次のように述べた。
「 (中国の)「一帯一路」構想を破るためには、やっぱり、台湾とスリランカ、インドあたりにしっかりと楔を打ち込んで、さらに、フィリピンに対して、しっかり国策で応援しておかないといけないでしょう。挟み撃ちですね。(中略)やっぱり、自由主義圏のほうの考え方をもう少し広げていかないと。これは、大きな戦いだと思いますねえ 」
台湾が中国に吸収されてしまえば、台湾が中国の軍事拠点となり、沖縄も中国に飲み込まれる危険性が高くなる。台湾の独立問題は、日本にとって対岸の火事ではない。
今回の就任演説で、蔡氏が今後、「全方面で協力を求めていく」パートナーとして筆頭に挙げたのは日本だ。台湾と正式な外交関係、そして軍事協力関係を持つことは、日本の国益にも直結し、アジアの平和を守ることにつながる。日本は、経済面や文化面などの民間交流を通して、早い段階で台湾を「国」として認めるために協力していくことが必要だ。
(小林真由美)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『正義の法』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1591
幸福の科学出版 『緊急・守護霊インタビュー 台湾新総統 蔡英文の未来戦略』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1631
幸福の科学出版 『現代の正義論』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1630
【関連記事】
2016年2月9日付本欄 100年前の日本人「東洋のルソー」は台湾独立問題をどう見るか?
http://the-liberty.com/article.php?item_id=10891
2016年1月12日付本欄 台湾総統選有力の民進党 「一つの中国」の圧力に耐えられるか
http://the-liberty.com/article.php?item_id=10753
2016年6月号 台湾ルポ -国防女子が行く!- 日本と台湾は運命共同体だった