
1月の台湾総統選挙に勝ち、初の女性総統になる蔡英文(さい・えいぶん)氏。世界中が、このニューリーダーの誕生に注目している。
蔡氏の勝因は、「中国寄り」だった現職の馬英九氏の路線から脱却を訴え、中国とは一定の距離をとる「現実路線」が有権者の心をつかんだことだ。
長らく台湾は、中国にすり寄るか、台湾独立を死守するかの、2択で揺れてきた。成長する中国経済の恩恵にあずかりたい一方、中国にのみこまれたくない――。そこには、台湾が小国であるがゆえの「ジレンマ」が見え隠れする。
この安全保障をめぐるジレンマをどう乗り越えるべきか。
日本で100年以上前に出版された、後に「東洋のルソー」と評されるある人物の著作が、その解決のヒントになる。






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