《本記事のポイント》

  • 香港の活動家9人が起訴をされる見通し。
  • 本誌でインタビューをした活動家もそこに含まれる。
  • 国際世論が味方につくことで、現地の活動家にとって大きな力となる。

「雨傘革命」の活動家9人が、「公衆妨害罪」等の罪で起訴される見通しだ。本欄でも、本件は次期行政長官に親中派の林鄭月娥(キャリー・ラム)氏が当選したことと無関係ではないとし、中国が香港への支配を強めていることに対して警鐘を鳴らした( http://the-liberty.com/article.php?item_id=12790 )。

本誌インタビューに民主化への情熱を語る活動家たち

本誌2016年8月号記事「雨傘革命は終わっていない―香港・現地インタビュー」では、今回名前が挙がった活動家・戴耀廷(ベニー・タイ)氏を含め、香港の活動家数名にインタビューを行っている。記者は現地へ赴き、実際にその声を聞いた。

戴氏は雨傘革命の発端である金融街の占拠、「オキュパイ・セントラル(中環の占領)」を主導し、その後香港大学の法学部で教鞭をとっている。

戴氏は本誌インタビューに対し、香港から中国を変えていくという情熱を語った。

「中国から法学部の学生を受け入れて、彼らを教育することを通して影響を与えています。彼らは、民主主義は自分の人生の目的を実現させるものであることを学びます。これに対して、権力者の目的に資するものを押し付けるのが中国政府や親北京派です。学生たちにとってどちらがいいかは明らかです」

中国では雨傘革命以降、民主派の議員が誕生するなど、自由を求める人々の意識が実現してきた反面、銅鑼湾(どらわん)書店員の失踪、反中議員の議員資格はく奪、といった思想統制も強くなってきている。同書店は、中国の習近平国家主席を批判する書籍などを出版していた。

香港の自由が奪われる現状を、これ以上静観してはいられない。

戴氏同様、本誌のインタビューに応じた香港の民主系メディアの社長、楊懷康(ワイ・ホン・ユン)氏は、上記企画で次のように述べた。

「国際世論な香港の未来をきめる面もありますので、香港の現状を海外で報道して頂けることがありがたいです。ただ、最終的な結果は香港での我々の戦いが決めることになるでしょう。しかも、その戦いは未来を担う若者が中心になって成し遂げられるものだと信じています」

今、「自由の革命」が起きている

香港での戦いは、暴力的な意味での革命ではなく、人間がこの世に生まれて幸福を実現するうえでかかせない「自由の創設」のための戦いである。

戴氏は取材を通して、2014年の雨傘革命が、単に民衆の不満ではなく、理想を求める情熱と、高い認識力によって起きたものであると語った。また、困難な状況に陥った時、それを打開するような奇跡が起きて、何かに守られているという感覚を受けたとも話してくれた。

記者自身、民主化を求める彼らの「国際社会の賛同が力になる」という言葉を耳にした者として、私たち一人ひとりの応援が香港の希望となるということを実感している。理想のために戦う彼らの無事と、革命の成就を心から祈りたい。(祐)

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