(画像は Wikimedia より)

《本記事のポイント》

  • ティラーソン米国務長官が来日し、安倍首相と会談
  • トランプ政権は対北朝鮮であらゆる選択肢を検討
  • 日本も国防をアメリカ任せにせず、自力で自国を守る覚悟を固めるべき時

安倍晋三首相は16日、来日中のティラーソン米国務長官と首相官邸で会談し、核弾道ミサイル開発を進める北朝鮮への対策について話し合った。日米間で戦略目標を共有することが重要であり、北朝鮮への圧力強化が必要との認識で一致した。

ティラーソン氏は、アメリカの過去20年間の対北朝鮮政策は「失敗だった」と断じ、オバマ政権の「戦略的忍耐戦略」を終わらせる意向を明らかにした。トランプ政権が進める北朝鮮政策の見直しについては、「あらゆる選択肢がテーブルの上に乗っている」と述べている。

これまでのアメリカの「失敗」

ティラーソン氏が「失敗だった」と語ったこれまでのアメリカの対北政策を簡単に振り返ってみたい。

北朝鮮の核の脅威は、今から約20年前の1993年、北朝鮮が核拡散防止条約(NPT)からの脱退を表明したころから顕在化した。

当時のクリントン政権は、北朝鮮の核開発凍結の見返りに軽水炉2基を建設するという米朝枠組み合意をまとめた。その後のブッシュ政権も、テロ支援国家の指定解除など融和的な対北政策をとった。

そして直近のオバマ政権は、北朝鮮が非核化の意思を示さない限り対話に応じないという「戦略的忍耐」の方針を掲げたが、結局、北朝鮮に核ミサイル開発の時間的猶予を与えるだけに終わった。

トランプ政権は北朝鮮に対しさらに強硬に

トランプ政権は、北朝鮮の核開発や弾道ミサイル発射実験をやめさせるには、アメリカがより強硬な姿勢をとらなければならないという立場を取っている。

米政府内で行われている対北政策の見直しは、北朝鮮への武力行使や金正恩体制の転換も含まれる。

武力行使については、米本土を射程に収める大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を北朝鮮が宣言した場合、関連する北朝鮮の軍事施設を限定的に空爆する案などが上がっている。

また、金正恩体制の転換については、ブッシュ政権下で行われたイラク戦争の際に、フセイン政権を転覆させたケースがイメージしやすい。

現実的には、北朝鮮に反撃される可能性もあるため、軍事攻撃に踏み切ることは簡単ではない。しかし、アメリカに攻撃されるかもしれないと北朝鮮を疑心暗鬼にさせることで、簡単に攻撃できないようにする作戦とみられる。

日本も自力で自国を守る覚悟を

トランプ政権の対北政策も、日本と韓国、そして中国の協力が不可欠だ。中でも、最も強い同盟関係で結ばれる日本に対するアメリカの期待は大きい。

幸福の科学大川隆法総裁は2016年9月、米ニクソン政権の国務長官などを務めたヘンリー・キッシンジャー博士の守護霊を招いて霊言を収録。キッシンジャー博士の守護霊はトランプ政権の北朝鮮対策についてこう述べていた。

もし日本が最終的な危機を迎えたら、トランプは全力で北朝鮮を完膚なきまでに叩きますよ。その点は疑問の余地なしです。やるでしょう。ただ、まずはトランプはこう主張します。『あなたがた日本人は、アメリカに救ってもらう権利があるわけではない。そうではなく、まずは自分たちで、やるだけのことをやってください。アメリカに救いを求めるのは、その後にしてください。それは第二段階です』と

(『ヘンリー・キッシンジャー博士 7つの近未来予言』所収)

これまで日本のミサイル防衛はアメリカ頼みだった。しかし、地理的にも近い北朝鮮の核の脅威が目前に迫る今、日本はアメリカと協力体制をとりながら、自国を自力で守る防衛体制を整える必要がある。

現状の日本のミサイル防衛能力では、同時に何発ものミサイルを撃ち落とすことは難しいという現状がある。アメリカが軍事オプションを検討するのと同様に、日本も、抑止力としての敵基地攻撃能力、また核装備の保有を検討する必要があるのではないだろうか。

(小林真由美)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『ヘンリー・キッシンジャー博士 7つの近未来予言』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1759

幸福の科学出版 『トランプ新大統領で世界はこう動く』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1767

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