《本記事のポイント》

  • トランプ次期米大統領が北朝鮮と中国を厳しく批判
  • アメリカは北朝鮮のミサイル開発を警戒
  • 日本はアメリカと協力するにも、防衛力の強化が必要

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が「大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験の準備が最終段階に入った」とアメリカをけん制したことについて、トランプ次期米大統領はこのほど、ツイッターで「北朝鮮がアメリカの一部に到達する能力を持つ核兵器開発の最終段階にあると宣言した。そのようなことは起きない」と反論した。

トランプ氏はまた、中国が一方的な貿易により「米国から多額の資金や富を奪い取っている」との主張を展開した上で、「(核・ミサイル問題を解決するために)何も協力しようとしていない。ご立派だ」と、皮肉を交えて中国を厳しく批判した。

これを受けて、中国外務省の耿爽(グン・シュアン)副報道局長は3日の記者会見で、「中国が北朝鮮核問題を解決するために努力しているのは誰の目にもはっきりしている」と反論した。

北朝鮮のミサイルを警戒するアメリカ

米国務省のカービー報道官は3日、北朝鮮は核弾頭をICBMに搭載することはまだできないとの見方を示した。「ただ、金正恩氏がミサイル技術を持ちたいと引き続き考えており、プログラムはこの方向で進んでいくことは認識している」と述べている(4日付ロイター通信)。

一方、米ジョンズ・ホプキンズ大学高等国際関係大学院などの核専門家は、北朝鮮が核や弾道ミサイルの実験を繰り返すことで技術を向上させ、2020年にはアメリカ本土に到達する核兵器装備のICBMを開発する可能性があると分析しているという。

今月20日のトランプ氏の大統領就任後は、通商政策や南シナ海の問題などで衝突することが確実視されている中国に対し、北朝鮮の核問題に関しても外交的な圧力を加える可能性が高い。それは、「中国が北朝鮮への支援を止めなければ、北朝鮮に経済制裁を課しても金正恩体制を追い込むことはできない」という認識に基づくものだ。

日本も北朝鮮に対する自衛策を

幸福の科学・大川隆法総裁は2016年9月、米ニクソン政権の国務長官などを務めたヘンリー・キッシンジャー博士の守護霊を招いて霊言を収録した。キッシンジャー博士の守護霊は、「ドナルド・トランプは北朝鮮にどう対処するか」という質問者の問いにこう答えた。

もし日本が最終的な危機を迎えたら、トランプは全力で北朝鮮を完膚なきまでに叩きますよ。その点は疑問の余地なしです。やるでしょう。ただ、まずトランプは、こう主張します。『あなたがた日本人は、アメリカに救ってもらう権利があるわけではない。そうではなく、まずは自分たちで、やるだけのことをやってください。アメリカに救いを求めるのは、その後にしてください。それは第二段階です』と

米本土に到達する核弾頭を搭載した北朝鮮のミサイルが実用段階に入った場合に、トランプ氏が米大統領としてどう対応するかが注目だ。

日本が自国を守り、北朝鮮のミサイル実験や核実験で恫喝されないためには、アメリカ頼みの国防政策ではなく、アメリカと協力体制をとりながら、自国を自力で守る防衛体制を整える必要がある。

(小林真由美)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『ヘンリー・キッシンジャー博士 7つの近未来予言』 大川隆法著

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幸福の科学出版 『トランプ新大統領で世界はこう動く』 大川隆法著

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