ソクラテス、仏陀、孔子の共通点の一つは、「大事なことは対話で教えた」こと。政治のこと、世の中のことも、対話で学ぶとよく分かります。下のような質問に、あなたならどう答えますか?

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――君たちは、相続税と贈与税の廃止を言っているけれども、そんなことをしたら、生まれながらの格差を認めることになるじゃないか。富の再分配を否定するのか。

いえいえ、そんなことはありません。富の再分配は、ある程度必要だと考えます。ただ、その実現の仕方が違うだけです。

――じゃあ、なんで相続税と贈与税を廃止したがるんだ?

相続税と贈与税の税収は、合わせて1.9兆円にしか過ぎません(2016年度予算)。たったの約2兆円で、格差をなくすことにつながっているのでしょうか。

むしろ、税金を安くする節税ビジネスが流行ったり、脱税が横行する方が問題です。アメリカでは、日本の相続税に当たる「遺産税」に対する節税コストだけで、税収に匹敵するという指摘もあるほどです。節税に多額のコストがかかるなんて、本末転倒もいいところです。