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首相や閣僚をはじめとする、特別職の公務員の給与を引き上げる法案を巡り、批判が相次いでいます。

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閣僚級や会計検査院長、人事院総裁、各種委員会の委員長など、特別職の国家公務員の給与を引き上げる給与法改正案がこのほど、衆院内閣委員会で審議入りとなりました。

改正案は、首相の年収を46万円、閣僚の年収を32万円増額する、といったもの。野党から「国民が物価高で苦しむ中で、首相の給与が上がるのはおかしい」といった批判の声が相次いでいます。今国会の火種の一つになると見られます。

今年8月に人事院が、国家公務員一般職の給与を引き上げるべきとの勧告を出し、政府がそれを反映した給与法改正案を出しました。今回の法案は、それと併せる形で提出されました。人事院勧告では、首相らの給与について触れられていませんでしたが、一般職に準じて変動させることは通例となっていました。

奇しくもその審議が、岸田政権の増税や、デフレ脱却のためと称した給付や"減税"などを巡る議論とタイミングが合う形となりました。「国民が苦しんでいる中での"お手盛り"とは何事か」という批判を浴びています。

これに対して、「首相や閣僚の増収分は自主返納する」といった対応が検討されています。首相らは行財政改革の一環として、すでに給与の一部を返納していることも併せて強調し、批判をかわそうとしています。それでも、「自主返納は一時的なもの」として、法案自体の凍結や再検討を求める声が上がっています。

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