アポロ計画開始から55年。人類の月への移住は、もはやSFではないのかもしれない。

欧州宇宙機関(ESA)がこのほど、公式HP上で動画を公開し、月面に村をつくる構想について、紹介している。

動画の中で、ESAのヨハン・ディートリッヒ・ヴェルナー長官は、村をつくる目的について、科学、ビジネス、鉱物の採掘、旅行などを挙げる。村は、2030年の利用を目標に建設されるという。

また、ヴェルナー氏は、こうした月に恒久的な基地を建設するのは、宇宙事業の次の段階と位置づけ、村が国際宇宙ステーションに(ISS)に取って代わる可能性についても言及している。

村をつくるために月の資源を有効活用

村のつくり方はこうだ。

まずは、月面探査機を月面上に着陸させる。その探査機で、ドーム状の構造物を膨らませ、建設資材などを使って、ドームの周りを補強していく。

このドームは、人間を極端な温度差や放射線など、月の厳しい環境から守るためのもの。建設資材などは、3Dプリンタを用いてつくられるという。地球から建設に必要な資源を運搬する代わりに、月の資源を利用する点でメリットがある。

危険性については、同氏は、月面上で陰になっている部分では、放射線を避けられる場所もある、適切な場所を選べば極端な温度差のリスクを減らせる、と語っている。

ヴェルナー氏は、火星旅行より月の村づくりの方がより現実的とし、アメリカやロシア、中国、インド、日本など世界各国の宇宙機関と協力して事業を推進していきたい、と動画を締めくくる。

月にはエネルギー、食糧危機解決の可能性が眠る

月には、科学のフロンティアが広がっている。

JAXA宇宙教育センターによると、月の表面にはヘリウム3という核融合炉の燃料となる物質が数百万トンあると推定されている。1万トンが、全人類の100年分のエネルギーに当たるというのだから、核融合の技術が確立し、ヘリウム3を燃料として使えるようになれば、当分エネルギーが枯渇する心配をしなくても済みそうだ。

エネルギー以外にも、地球の6分の1である重力を生かし、地上の6倍に育つ植物を育てられる可能性などもあるという。

エネルギーの枯渇、人口増加、食料不足に直面しつつある地球人にとって、月は魅力的な場所だ。

未来予言――22世紀には約1万人の月の住人

大川隆法・幸福の科学総裁は、『黄金の法』の中で、22世紀における月の未来を、こう予言している。

月にはすでにステーションづくりが進行しており、有力五カ国ほどが、その基地を築いております。月に移住している人の数は、この頃には、一万人ぐらいに達しており、民族を超えて、新しいエデンの園をつくることに胸をふくらませています。月と地球との間には、一日に三往復ぐらいの定期便が出ており、旅行所要時間は約二十時間ぐらいだと言えるでしょう

ISSなど、科学の分野では、世界中の国々が協力し合って、研究を進めているものが多く、国家間の融和につながる面もある。もしかしたら、月は、地球上で続く宗教や民族間の対立を融和する舞台ともなるのかもしれない。

(冨野勝寛)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『黄金の法』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=154

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