政府はこのほど、地球温暖化対策計画の原案をまとめた。

発光ダイオード(LED)の全家庭への普及や、ハイブリッド車・電気自動車の新車販売に占める割合の増加、その他様々な技術革新によって、2030年までに2013年比で温暖化ガス排出量の26%削減、50年までに80%削減を目指す。

今回発表された計画は昨年、COP21(第21回気候変動枠組条約締約国会議)で採択されたパリ協定を受けてのものだ。

この協定は、史上初めて、196の国と地域が温暖化防止に協力すると約束したもので、「気温上昇を、産業革命前の気温から目標2度以内に抑え、さらに1.5度以内へと抑えていく」「すべての国が排出ガスの削減目標を5年ごとに提示し、対策することを義務付ける」という内容が含まれている。

経済にダメージを与える温暖化対策

本政府がまとめた計画は、各分野における削減目標は以下の通りになっている。

  • 産業分野 7%
  • 業務・オフィス部門 40%
  • 家庭 39%
  • 運輸 28%
  • エネルギー転換 28%
  • 日本経済全体 2030年までに26%、2050年までに80%

7%である産業分野の削減目標は、他のものより低いように見える。政府は、産業への負担を減らせば、経済への影響も少ないと考えたのかもしれない。だがその一方で、運輸部門やオフィスへの削減目標はそれぞれ28%、40%とかなり高い。生産への負担を減らしても、流通、販売への負担が重いままでは経済成長を妨げてしまう。

また、すでに日本は世界に先駆けた技術によって、温暖化ガス排出量を減らしている。これ以上の削減目標を掲げることは、「エネルギー使用量を減らしていく」ことにつながり、自らの首を絞めることになる。

「CO2温暖化説」は仮説

そもそも、「二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスによる地球温暖化」という考え方自体に科学的な裏付けはない(関連記事参照)。仮説を根拠にして、自国の経済発展を阻害する目標を立てるのは理解に苦しむ。

このまま温暖化対策を強化していけば、日本の国力が弱体化してしまう。政府は、非科学的な根拠をもとに、温暖化対策で企業や個人に足かせを設けるのではなく、企業活動を阻害する規制を撤廃して、経済成長をしていくという考え方に改めるべきだ。(祐)

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