人類とゴリラが、1千万年前にアフリカで共通の祖先から分岐したとの説を補強する成果が発表された。11日付の英科学誌ネイチャーが掲載した。

この研究は、日本とエチオピアの研究チームが2007年にエチオピアで発見したゴリラの祖先とされる類人猿の歯の化石のDNA解析を進めたことによるもの。その結果、人類とゴリラが分かれたのは約1千万年前であり、チンパンジーと分かれたのは約800万年前と推定されるとの仮説が示された。

研究チームの一人である「兵庫県立人と自然の博物館」の加藤茂弘主任研究員は、「人類誕生の時期を明らかにすることにもつながる」と述べている。

ダーウィン進化論は仮説段階?

こうした研究は、ダーウィンの進化論を基礎として、「人間の起源がサルである」との推測の延長上にある。しかし、ダーウィンの進化論自体に、不十分な点が多く存在する。

それは、サルが自然淘汰の中で突然変異し、人間になる段階で、進化途上の「中間種」がいないことだ。また、人間とサルの精神能力や言語習得が、自然選択によってどのように埋められるのか説明がついていない。

大川隆法・幸福の科学総裁は2012年、進化論についてダーウィンに聞くべく、「進化論―150年後の真実」という題で、死後のダーウィンの霊言を収録した。そこで、ダーウィンの霊は以下のように述べた。

――「途中の段階」の動物というのはいませんね。

ダーウィン: いないんだよ。それがおかしい。そこんところを証明しなきゃいけないんだよ。

――(苦笑)「進化の途中の段階」という生物は発見されていませんので、「ダーウィン進化論」は、まさに仮説の段階ではあるわけですよね。

ダーウィン: うーん、それは確かにな、難しいことは難しいんだよ。

(『進化論―150年後の真実』)

実際の科学においても、「サルがヒトに進化した」とするダーウィンの進化論は完全に説明できていない。イギリスの王立協会が2年に一度、優れた業績を挙げた生物学者に授与する賞「ダーウィン・メダル」を日本人で唯一受賞した木村資生氏は、1988年の自著『生物進化を考える』(岩波書店)の中でこう述べている。

「今後の残された大きな問題は、表現レベル(形態レベル)の進化と分子レベルの進化の間にどうしたら橋渡しができるかということである」

つまり、遺伝子レベル変化と、生物の形態の変化の間の因果が説明できていないということを示している。この議論は、今でも結論が出ていない。

結局のところ、ダーウィンの進化論は、仮説段階で止まっているのだ。

人間とサルは「魂」の違い

進化論のもう一人の父がいる。それが、アルフレッド・ラッセル・ウォーレスであった。彼は、ダーウィンとほぼ同時代に進化論の研究をしていたが、ダーウィンと違い、霊魂の存在を認めていた。人間と動物は宿っている魂が違い、進化には神仏などの創造者が介在すると理解していたのだ。

仮説を立てて検証することは、科学の方法ではあるが、仮説を事実と思い込んでいては、真実は見えない。ウォーレスの進化論に立ち返り、白紙の目で人類の進化自体を見つめ直す時がきているのではないだろうか。

(HS政経塾 水野善丈)

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幸福の科学出版 『太陽の法』 大川隆法著

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2014年12月21日付本欄 ダーウィンの指摘が証明された? 肉体の進化より魂の進化に注目しよう

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2014年1月6日付本欄 アメリカの33%は進化論を信じていない 「人間の本能」が無神論・唯物論を拒否?

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2013年2月2日付本欄 「忘れられた進化論の父」ウォーレス没後100周年 進化論と霊魂の存在は両立する

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