iPhoneが始めて発売されたのが2007年。以来、スマホは全世界に普及した。
しかし、スウェーデンの通信機器メーカー・エリクソン社が6649人の消費者を対象に、東京やニューヨークを含む世界13都市で行った調査によると、半数が「2021年までにスマホは衰退し、人工知能に取って代わられる」という認識を持っていたという。
スマホは使いにくい?
エリクソン社が公開した報告書によると、たとえば運転中や料理中に、「スマホを手に取って操作するのは、あまり実用的ではない。(中略)だから、2人に1人は5年以内にスマホが過去のものになると考えている」と、調査結果を分析した。
では、使いやすい「スマホ」とはどのようなものだろうか。報告書によると、答えは「人工知能を搭載した電子機器」だという。
といっても、電子レンジや冷蔵庫が、SF映画に出てくるロボットのように意識を持って動き回るという意味ではない。
人工知能を搭載することによって、電子機器と「話す」ことが可能となり、本人の過去の行動パターンから、人工知能が言葉の「意味」を正しく理解し、言われた通りに行動するということだ。そうすれば、画面を触って手で操作する必要がなくなる。
一部ではすでに存在する技術だが、今後、その使用がさらに広く普及するものと思われる。
人工知能はどこまで進む?
人の「言葉」を分析して何らかの行動を起こす電子機器を「知能」と呼べるかどうかは定かではない。
しかし、同調査によると、人工知能は「教師としても役立つ」(44%)、「資産アドバイザーとして使える」(43%)といった答えが返ってきたという。
このように、より高度な人工知能を求める声も少なくない。
また、興味深いのは、「人工知能は話し相手になる」(35%)、「自分の医療問題を、医者ではなく、人工知能に話す方が抵抗が少ない」(29%)と答えた人がいることだ。
これは、現代社会において、人と人とのつながりが薄くなったり、他人との関係を避ける傾向にあることを物語っているのかもしれない。心の問題に関する解決を、「心を持たない」人工知能に求める矛盾が生じているようだ。
人工知能を基にした機械化などは、確かに産業や家事の効率化や、話し相手づくりになるかもしれない。しかし、人工知能が持たない「心」や、人間同士のつながりに関する研究もますます必要になってくるのではないだろうか。(中)
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