アマゾンでお坊さんが"購入"できる時代が来た。

インターネット上で葬儀業を展開する「みんれび」は、総合オンラインストア・アマゾンのサイト内に、僧侶を手配するサービス「お坊さん便」を8日から展開すると発表した。

「お坊さん便」とは、普段お寺との付き合いがない人、お布施の相場が分からない人などを対象に、全国へ僧侶を手配するサービスだ。葬儀を除く主要な法事・法要での読経について、35000円の定額で請け負い、追加料金はかからない。みんれびは、2013年に自社ウェブサイトでこのサービスを開始し、受注件数を拡大してきた。

同社のウェブサイトによると、今回アマゾンでサービスを展開する理由として、アマゾンが家事代行など無形サービス商品を取り扱った実績があること、レビュー機能が充実していることなどを挙げている。

多様な葬式のあり方を求める声はやまない

サービスが拡大してきた背景には、各地で都市化や過疎化が進み、昔と比べて檀家とお寺との関係が薄くなったことや、お金がかからない簡素な葬儀を望む人が増えたことがある。

みんれびはお坊さん便の他にも、海洋散骨や宇宙葬など、様々な葬儀を提供している。

終活ブームも相まって、多様な葬儀のあり方を求める声は日に日に増しているが、本当にこうした葬儀で十分と言えるのか。

あの世を語れない僧侶の増加がそもそもの原因

お坊さん便では、お布施が"定価"で示されているが、本来、葬儀や法事は対価性のあるサービスではない。定額サービスの増加は、宗教がビジネスの一部として受け止められている傾向を反映したものと言える。

そもそも、お坊さん便などのサービスが出来てきた元をたどれば、既存の仏教界の課題に行き着く。あの世の世界について語れず、形だけの葬式を行う僧侶が増えてしまった。これでは、遺族も、葬儀の意味を見い出せず、お寺離れが進むのも無理はない。

葬儀とは、あの世への旅立ちの儀式。僧侶自身があの世のことを知らずに形だけ儀式をやるだけならば、死者の霊が迷い、家族に障りを起こすこともある。そうなれば、亡くなった本人も残された家族も不幸になってしまう。

聖職者は宗教の本道に立ち返り、あの世や霊の存在を積極的に説くべきだ。(冨野勝寛)

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幸福の科学出版 『天国に還るための終活』 百歳まで生きる会 監修

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