来年の参議院選挙から18歳以上に選挙権を認めることを受け、高校生の政治活動に関する文部科学省の学校への通知案が14日、明らかとなった。

高校生の学内での政治活動は原則禁止するが、学外では原則解禁するという。学内では、生徒会活動や授業を通じた政治活動は禁止。学外であっても、他の生徒の学習に支障がないよう、特定の政党を支持または反対する政治活動は「無制限に行えるものではない」とした。

また教員も、政治的中立性を維持するため、自身の政治的な主義・主張を述べることは控える必要があるという。

「良識」を持つことの大切さ

次世代を担う若者に、政治への関心を持つきっかけを与えることはよいことだ。だが、高校生が政治活動を行う前提として、各自が「政治に関する基本的な考え方」を持っておく必要がある。

ひとつは、政治が本来尊いものであると知ることだ。テレビや新聞などでは、政治家がさまざまな批判にさらされているため、政治家に対する尊敬も薄くなりがちだ。

そのため、教師は生徒に「政治の大切さ」について教える必要がある。政治とは、国民の生命や安全、財産を守り、国の舵取りを担う重要な仕事。そのため本来、政治家は尊敬されるべき存在だ。

さらに、「良識」を持つことが大切だ。政治家はもとより国民も、政治において「誰が正しいのか」ではなく、「何が正しいのか」を追究する必要がある。この「良識」が支配していなければ、民主主義は機能しない。

「正しさ」を追究するためには、世界宗教の素養を身に付けることだ。過去の叡智を正しく学ぶことで、自らの中に「正しさの基準」ができてくる。

政治参加による「自由の創設」こそ、最大の幸福

そして、「何のために政治に参加するのか」についても教える必要がある。哲学者ハンナ・アーレントは、政治の理想を「自由の創設」に置いた。すなわち、国民が自らの意志によって政治に参加し、「理想の共同体」をつくり上げることが、民主制の理想的な政治形態と考えた。

大川隆法・幸福の科学総裁も、著書『政治の理想について』の中で、「 政治に参加することによって自由を創設することが、人間としての尊い活動であって、人間はそのなかに幸福を感じる」として、自らの意思による政治参加は「『活動的生活』のなかにおける最大の幸福 」だと指摘している。

このように、政治参加は国民一人一人の幸福の源となるもの。中学・高校生の頃から政治についての考え方などを教えることで、政治に興味を抱く若者も増え、政治を通して日本や世界をよいものにしようという人材の輩出にもつながるだろう。(泉)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『国家の気概』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=114

幸福の科学出版 『政治の理想について』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=112

【関連記事】

2015年6月17日付本欄 18歳が選挙権を正しく使うために必要な改革 戦後教育に潜む2つの間違いとは?

http://the-liberty.com/article.php?item_id=9766

2015年2月18日付本欄 選挙権18歳に引き下げ ついに成立か 若者の政治参加への期待高まる

http://the-liberty.com/article.php?item_id=9210