【衆院選】そもそも解説:消費増税してはいけない理由 第1回

2014.11.23

「なぜ、消費増税してはいけないのか?」という問いに対して、一言で答えるとすると、こうなります。「消費税は、経済活動の"ハードル"です。税率を上げると、日本経済がダメージを受けます」。第1回目は、この点について解説していきましょう。

今回、安倍自民党は、消費税率を10%に上げることを「1年半に、先送りする」と言っています。でも同時に、「1年半後には、必ず10%に上げる」と言っています。どんなに景気が悪くても上げるというのは、とても恐ろしいことです。

すでに消費増税で、日本経済は大きなダメージを受けています。

消費増税8%は震災を超えるダメージを与えた

ニュースなどでよく耳にする「国内総生産(GDP)」という言葉があります。これは、その国の経済活動の規模を示すものですが、今年4月に導入した消費税8%によって、4~6月期のGDPは、年率換算で7.3%も減りました。これは、東日本大震災が起きた当時を上回る経済の落ち込みです。

なぜ、これほど落ち込んだのでしょうか。

商品やサービスを売り買いする経済活動を、国民が1周400mのグラウンドで走っている姿に例えると、消費税は「ハードル」に当たります。このハードルを、3%、5%、8%、10%とドンドン上げていくたびに、国民は疲れて、走る速度が遅くなっていきます。

さらに、消費税は、つくったり商品を運んだり、仕入れたりする流通の過程で、そのたびに何度も税金がかかります。そうすると、モノやお金の流通する速度がドンドン遅くなります。こうしてモノが売れなくなり、景気が悪化していくのです。

自民党は「消費増税と経済成長は両立する」と考えていますが、両立するわけがありません。日本経済が破壊されてしまいます。

欧米と日本の「消費税」の違い

ここで、「消費税は、欧米諸国の方が高いけど、それはどうなの?」という疑問にお答えします。

よく自民党などは、日本の8%に対して、イギリスは20%、スウェーデンやアイスランドにいたっては、25%だ。日本ももっと上げるべきだ、と主張します。

しかし、単純な税率に、だまされてはいけません。欧米諸国には、「軽減税率」といって、日常的に買う商品やサービスにかかる税金を免除する仕組みがあります。例えばイギリスでは、食料品や新聞・雑誌、医療品など、多くの身近な日用品は税金を免除されています。

さらに、欧米と日本では、「消費税」に対する考え方がかなり違います。欧米では、消費税のことを「付加価値税」と呼び、国民が高い税率に慣れている上、「消費することによって、景気が良くなる」ということをよく理解しています。つまり、「消費型」なのです。

一方、日本は昔から、「貯蓄は美徳。消費は、浪費・散財で悪いこと」と考える国民性です。つまり、「貯蓄型」です。この考え方や国民性を変えないまま日本で増税すると、欧米に比べて経済に与えるマイナスの影響は大きなものになります。

これに対して、幸福実現党は2009年春の立党以来、一貫して「消費増税反対」「減税路線」を主張してきました。今回の衆院選でも、「消費税を5%に減らし、景気回復・経済成長を実現する」と主張しています。大減税・規制緩和こそが、日本経済を成長させる秘策です。

【関連記事】

2014年8月13日付本欄 震災並みだった消費増税の破壊力 4-6月期GDPは年率6.8%減

http://the-liberty.com/article.php?item_id=8273

2014年11月号記事 海外紙が一斉に懸念し始めた 消費増税10%の破壊力

http://the-liberty.com/article.php?item_id=8459


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