安倍政権は、重要法案が多い臨時国会後の来年春以降に、集団的自衛権の行使容認とそれに伴う憲法解釈の変更をする方針を固めたと一部で報道されている。

一方で公明党の山口那津男代表は24日の講演で、安倍晋三首相が設置した私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」、通称「安保法制懇」の提言で出した結論にそのまま与する考えはないとの認識を発表した。

山口氏は同講演で「安倍政権が、国民の懸念する方向に行くようなことがあれば、申し上げるべきことは申し上げる」と語った。自民党の進める国防政策に関し、公明党がネックとなっている。すなわち、公明党は自民党のブレーキ役というより、足枷になっているということだ。

通常、連立を組むなら同じ思想・政策を持っている政党同士でやるべきだろう。しかし、自民党と公明党は言ってしまえば「水と油」の関係だ。公明党は経済再生が優先されるという。しかし、連日のように中国の公船が日本の周辺海域が侵入している現状を見て、まだそんなことが言えるのだろうか。

中国が武力行使してきた場合、日米同盟に基づきアメリカが守ってくれることになっている。しかし、国防費を削減しつつあるアメリカが、一方的に日本を守ってくれるという考えは甘すぎる。アメリカが攻撃されても日本は見ているだけしかできない。そんな国をアメリカの誰が守ってやると思うだろうか。

山口代表は集団的自衛権を認めることで日本が関係のない戦争に巻き込まれるのではないかと思っているのかもしれないが、集団的自衛権は権利であり、義務ではない。自国を守るためには必要なことだ。公明党は日本の悪しき習慣である「先送り」を打破するためにも、国益のためにも、自民党をプッシュする必要がある。(悠)

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