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2024年3月号記事

Pick Up Movie

編集部がオススメする「今こそ観たい」映像作品。

「ネクスト・ゴール・ウィンズ」

2024年2月23日(金・祝)より全国公開

負け続けでも、希望と喜びがあふれ出す

【スタッフ】
監督:タイカ・ワイティティ
【キャスト】
出演:マイケル・ファスベンダー、オスカー・ナイトリー、エリザベス・モス、カイマナ、デビッド・フェイン、ビューラ・コアレ、ウリ・ラトゥケフ ほか
【配給等】
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
【公開日】
2024年2月23日(金・祝)より全国公開

 

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【レビュー】

2001年のサッカー・ワールドカップ予選でオーストラリアと戦った米領サモアは、W杯史上最悪の得点差0-31で大敗。創設以来、一度もゴールを決めたことがない彼らは、世界ランキング最下位だった。

1カ月後には2014年W杯予選が迫っている。願いは「1ゴール」を決めること。しかし、南太平洋ののどかな島国で暮らす彼らにとっては、それすら遥か彼方の願いだった。

一方アメリカでは、トーマス・ロンゲンが監督を解任され、失業か米領サモアのチームを率いるかの究極の二択を迫られていた。アメリカを2度W杯に導きながらも成績は低迷し、怒りも抑えられず、追放寸前だったのだ。果たして神の導きか、サッカー協会の策略か……彼は渋々米領サモアへ向かうことに。

「私は奇跡を生む男だ!」と現地で豪語した彼だったが、のどか過ぎるカルチャーとサッカーの基本すら皆無の選手たちに愕然とし、怒りを大爆発させた。互いに違い過ぎる"どん底"同士の出会い……。ここから、本当に起死回生の勝利を導くことはできるのか?

2014年にドキュメンタリー映画化された実話を元に、『ソー:ラブ&サンダー』のタイカ・ワイティティ監督がたっぷりとユーモアを盛り込んで描いた希望あふれる感動作。負け続けても、悪夢のような出来事からでも、たったの1ゴールで"人生"の勝利と最高の喜びがあり得るのだと思えるに違いない。厳しい競争社会と、祈り・無欲・受容の文化のぶつかり合いがもたらす互いの成長過程も見逃せない。

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ザ・リバティWeb シネマレビュー

「ネクスト・ゴール・ウィンズ」

(星4つ。満点は5つ)