2024年2月号記事

中東の宗教戦争を解決するためには

中東における「宗教戦争」の中心地が今、燃えている。
このイスラム教とユダヤ教の対立は、世界を二分する戦いに引火する危険性をもはらむ。
両宗教の発祥と、未来のあるべき姿の両端から、絡まった憎しみの糸を解きほぐす道を探った。


contents

中東の宗教戦争を解決するためには - Part 2 インタビュー集


INTERVIEW

ノーベル平和賞受賞者は語る

今のイランは宗教的独裁体制

2003年にノーベル平和賞を受賞したイラン人弁護士

シリン・エバディ

シリン・エバディ
(Shirin Ebadi) 1947年生まれ。テヘラン大学法学部卒、イラン初の女性判事となる。1979年のイスラム革命で判事の職を追われ、弁護士に転身。イランで女性や子供の権利や知識人が迫害された政治的事件を手掛け、「イランの鉄の女」と呼ばれる。人権団体「人権擁護センター」の代表。2003年にノーベル平和賞を受賞した。2009年にイギリスに亡命。著書に『私は逃げない』(ランダムハウス講談社)がある。

私は逃げない
『私は逃げない』
(絶版。古書店やインターネットで入手可能)

──イランでは、イスラムの宗教法シャリーア(イスラム法)に準拠した法律が施行され、女性たちの人権が侵害されています。

エバディ氏(以下、エ): 例えばイランでは、男性と女性が交通事故に遭ったとすると、男性の家族に支払われる賠償金は女性の場合の2倍になります。つまり女性の命は、「男性の命の2分の1の値打ち」ということです。

また法廷で男性と女性が証言する場合、男性1人の証言の効力は、女性2人分とみなされます。

法律の下でイランの女性は1人の平等な人間として認められていません。しかしそれは、イスラム法の誤った解釈に基づいたものなのです。

 

次ページからのポイント(有料記事)

権力維持のためにイスラムを悪用

イスラムの神は愛の神

あまりにひどい恐怖の支配 / サハル・ザンド氏インタビュー