《ニュース》

中国が「不可能」と指摘されてきた半導体チップの超微細化(7ナノ)を実現したことをめぐり、バイデン米政権が強化した半導体規制がすり抜けられ、対中包囲網は「失敗」したと、米シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」はこのほど発表した報告書の中で指摘しました。

《詳細》

中国のスマートフォンが通常、欧米の経済・安全保障界隈で注目されることはありません。しかし、中国通信機器大手ファーウェイが新型スマートフォン「Mate 60 Pro」を発表したことに、欧米の関係者は衝撃を受けました。

米半導体市場調査会社SemiAnalysis(セミアナリシス)の分析により、ファーウェイにチップを供給する中国半導体大手「中芯国際集成電路製造(SMIC)」が、先進半導体である7ナノの国産・量産化に成功した可能性が濃厚であることが分かったのです。

米政権は近年、軍事兵器やAI(人工知能)の頭脳などになる半導体産業の弱体化を狙って、中国に対する半導体規制を強化。日本やオランダなども同調してきました。半導体をめぐる国際的な対中包囲網を形成してきたにもかかわらず、技術的ブレイクスルー(突破)が見られたことから、「日米の安全保障に対する大きな脅威」「中国の技術力を低下させることに失敗したのは明らか」などとCSISは指摘しました。

7ナノ以降の先端半導体の開発にはオランダ製の装置が必要であるなど、技術的には高いハードルが存在しています。中国はこの障害をどのようにして乗り越えたのか、注目されています。

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