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米政府機関の閉鎖を回避し、11月中旬までの政府支出をまかなう「つなぎ予算案」が9月30日に米議会で可決されたものの、ウクライナ支援予算が含まれませんでした。バイデン米大統領は10月1日に「いかなる事情があろうと、米国の支援が妨げられるのは許せない」と述べ、支援を外すよう求めた共和党を批判しています。

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米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(2日付電子版)によると、ウクライナ支援がつなぎ予算に盛り込まれなかったことで、支援の財源が枯渇する可能性が出てきました。米当局者は、残りが52億ドル(約8000億円)しかなく、このままのペースでは数カ月しか持たないと考えているといいます。

ウクライナ最大の支援国であるアメリカから武器・弾薬の供与が本当に止まれば、膠着状態となっている戦局に影響を及ぼすのは必至であり、ウクライナの敗北は決定的になると懸念されています。

また、時を同じくして、バイデン氏による職権乱用や捜査妨害、汚職の疑いをめぐり、米下院は9月28日、大統領の弾劾に向けた初めての公聴会を開きました。バイデン氏の家族らによる、ウクライナを含む外国企業との怪しいビジネス関係などを洗い出すことが狙いです。すでにバイデンファミリーらには、ペーパーカンパニーを通じて、少なくとも約2000万ドル(約30億円)の不透明なお金が流れていることが判明しています。

バイデン氏が自身の利益のために外交政策を決定していた疑惑などが高まる中、共和党は来年の大統領選を見据えて、政権に打撃を与えようとしています。しかし、党内にはウクライナ支援の継続を求める声もあって一枚岩ではなく、同党のマッカーシー下院議長のやり方に反発して、同氏の解任動議を提出する動きも起きています。

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