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全国学力テストの結果分析で、「家にある本の冊数」が少ない生徒の正答率が低い傾向が現れました。

《詳細》

毎年行われる全国学力テストでは、全国の小中学生を対象として、国語と算数・数学の問題を出題しています(年によっては英語や理科を出題)。

7月31日に発表された令和5年度調査の報告書では、家庭の経済状況を示す指標の一つとされる「家にある本の冊数」と、学力との関係に着目しました。

同テストでは児童・生徒を対象に、学習状況などについて質問紙調査を実施。その中でも「家にある本の冊数」と「授業で発表を工夫していたかどうか」の回答と、「正答率」との関係が分析されています。

中3の数学では、「授業で発表を工夫していた」と回答した生徒のうち、家の蔵書数「0~25冊」の正答率は52.9%で、「101冊以上」の正答率65.2%を下回っています。

一方、家の蔵書が「101冊以上」でも、「授業で発表を工夫していなかった」と回答した生徒の正答率は45.7%と、「0~25冊」と答えた生徒を下回っています。

この結果について、報告書では「家庭の社会経済的背景が低い児童生徒ほど、各教科の正答率が低い傾向」が見られるが、「授業の中で、主体的・対話的で深い学びに取り組んだ生徒は、家庭の社会経済的背景が低い状況にあっても、正答率が高い傾向」が見られるとしました。

同テストで児童・生徒を対象とした質問紙調査では、雑誌・新聞・教科書を除いた家庭の蔵書数について、「0~10冊」と答えた児童・生徒が12.8%と、2021年度の11.0%より増加。「11~100冊」と回答したのが66.3%(21年度は63.4%)、101冊以上は33.5%で21年の36.5%から減少しています。

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