2023年9月号記事

妖怪国家からの脱却

空気を支配する者の正体

日本人は無宗教が多いと言われているが、意外に妖怪の存在を信じている。実は妖怪は魑魅魍魎の世界ではなく、あなたの身近に潜んでいた。


contents


なぜ日本ではどの業界や組織も、いつもこうなるのだろうか。

会議を行うと、「いつも意見を言う人が同じ」「上司の顔色を伺って、水を差すようなことは言わない」「結局、声が大きい人の意見が採用される」。会議はいつしか重苦しい雰囲気に包まれ、予定調和の結論が全員一致で承認される。

ところが会議後に居酒屋に行くと、参加者は「本音では反対だった」「現実的に考えても失敗する」などと愚痴をこぼす。しかし一人が「あの空気ではそうせざるを得なかった」と言うと、みな押し黙る──。


「空気」を支配する妖怪の正体

評論家の山本七平は著書『「空気」の研究』で、日本人が無自覚で支配される「空気」の存在を明らかにした。一例としてかつて戦艦大和が沖縄に特攻した際、航空支援がないなどの合理性から見て、「無謀な作戦」と指摘されていた。にもかかわらず、海軍の小沢治三郎中将は作戦実施を許可。理由は驚くべきことに、「当時の空気からすると当然と思う」と語った。大和特攻には沖縄を見捨てないという念いが込められていたとはいえ、山本は「『空気』とはまことに大きな絶対権をもった妖怪である」と驚きを隠さなかった。

多くの人は空気が読めても、空気の正体を掴むまでには至っていない。そんな中、大川隆法・幸福の科学総裁はこう指摘する。

妖怪は今は、人間の姿をして棲んでいます。背広を着てスカートを穿いて、妖怪が棲んでいます。だから、人間と変わらないんです」(*)

妖怪が現代の日常に溶け込み、生きているとはどういうことか。本特集で、日本社会に巣食う妖怪の正体に迫る。

(*)2023年2月の「『妖怪にならないための言葉』発刊記念対談」
※文中や注の特に断りのない『 』は、いずれも大川隆法著、幸福の科学出版刊。

 

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永田町に巣食う「妖怪」

個人の「私怨」をいつの間にか宗教問題にすり替える