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米中央情報局(CIA)のバーンズ長官が6月上旬にウクライナを密かに訪問し、ゼレンスキー大統領らと会談しました。ウクライナ側は年末までにかなりの領土を奪還し、停戦交渉を開始するという野心的な計画をアメリカ側に伝えたと、米紙ワシントン・ポスト電子版が6月30日に報じています。

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ウクライナ政府は最近、反撃ペースが遅いと批判する西側諸国に対して不満を表明しています。例えば、ザルジニー総司令官はワシントン・ポストのインタビューで、「これ(反攻作戦)は見せ物ではない。これは、世界中が見て、賭けやら何やらをする見せ物ではないのだ。毎日、1メートル毎に血が流されている」「完全な(武器の)供給がなければ、これらの計画は全くもって実現不可能である」などと語っています。

一方で米紙によると、ウクライナの軍事計画立案者は、「秋までにかなりの領土を奪還する」という強気のプランをバーンズ氏らに伝えました。領土を奪還してロシアが編入したクリミア半島の近くにまで迫り、大砲やミサイルシステムを並べつつ、東部でも攻勢を進めることで、ロシアを交渉の座につかせるという内密の計画を説明 したといいます 。

このようなタイトな日程と双方の戦力、そして現在の戦局から見ると、ウクライナの計画は楽観的ではあります。バーンズ氏はそれについての評価を求められたものの、コメントしなかったとしています。

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