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厚生労働省は、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」の不具合が相次いでいる中、従来の健康保険証も合わせて医療機関に持参するよう呼び掛ける方針を明らかにしました。

《詳細》

「マイナ保険証」については、他人の保険情報に紐づけられていた事例がすでに発覚しているだけで7000件を超えているほか、カードの読み取りトラブルや通信トラブルによって保険資格が確認できず、窓口で10割の負担を要求される事例が相次いでいます。

これを受けて、厚労省はマイナ保険証で初めて受診する際や、転職などで加入する保険が変更した後などトラブルが起こりやすい状況で、従来の健康保険証も持参するよう呼び掛ける方針を明らかにしました。この方針について、加藤勝信厚労相は30日の記者会見で「あくまで時限的なもの」と発言しています。

厚労省は29日に「オンライン資格確認利用推進本部」の初会合を行いました。オンラインで資格情報が確認できない場合、患者が持参している保険証を確認するか、「被保険者資格申立書」に記入してもらうことにより、全額負担を回避するという具体案が示されています。「被保険者資格申立書」に関しては、すでに存在する「災害時に患者の保険資格を確認できない場合、健保組合などの保険者が負担し合い、医療機関に診療報酬を支払う」仕組みを参考に詳細を詰めるといいます。

厚労省が5月に行った調査では、マイナ保険証を利用した患者のうち、メリットについて「特になし」と答えた人が56.5%にのぼっています。

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