2023年4月号記事

ウクライナ戦争の原因 を「公平」に見ないと危険

この戦争はどこに向かうのか。そもそもこの戦争はなぜ起きたのか。その原因を探った。

ウクライナ戦争から1年が経過した。主力戦車「レオパルド2」のウクライナへの供与や長射程のミサイルをポーランドに売却するなど、惜しみない西側からの軍事支援が続く。戦車が到着する前に、ロシアが2月から3月にかけて大攻勢に出るという観測もある。

この戦争は、もはやロシアとウクライナ間の戦争ではない。アメリカvs.ロシアの代理戦争の様相を呈しつつあるのだ。

戦争が長期化した場合、最大の被害者はウクライナ国民だ。だが戦後の復興を考えれば、日本にも無理難題が降りかかる恐れがある。復興資金は100兆円と見積もられている。NATO(北大西洋条約機構)加盟国が中心に復興を担うとしても、日本にもかなりの額の負担を求めようとする目算はあるだろう。

恐ろしいのはバイデン米政権に外交交渉の意思があまり見られず、戦争がエスカレートする可能性があることだ。トランプ前米大統領も、「バイデン大統領は、第三次世界大戦を引き起こそうとしている」と警告を発し、「私なら今すぐに停戦する!」と訴えている。


破られたNATO東方不拡大の約束

では、この戦争をどう終結させるべきか。病気の原因を知ることなくして、処方箋が出せないように、停戦に向かうにはロシアがウクライナ戦争に踏み切った原因を知る必要がある。

この点について、リアリズムを代表する国際政治学者で米シカゴ大学のミアシャイマー教授は、西側の対東欧政策の柱である「NATOの東方拡大」こそが、現在の危機の根本的な要因だと主張してきた。

 

次ページからのポイント

「戦争の原因を直視すべき」 / 政治学者 上野俊彦氏インタビュー

このままロシアが追い詰められたら、どうなるか