《本記事のポイント》

  • ロシアを逆なでするアメリカの武器支援強化
  • ロシア領内への攻撃がプーチン大統領の怒りに火を付けた
  • 圧倒的に少ない軍事予算から核に依存せざるを得ないロシアの軍事事情

元航空自衛官

河田 成治

河田 成治
プロフィール
(かわだ・せいじ)1967年、岐阜県生まれ。防衛大学校を卒業後、航空自衛隊にパイロットとして従事。現在は、ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ(HSU)の未来創造学部で、安全保障や国際政治学を教えている。

欧米諸国によるウクライナへの武器支援が加速しています。それに対し、ロシア側は、核についても言及するようになってきています。

例えばロシア・ラブロフ外相の4月25日の発言です。ラブロフ氏は、政府系テレビのチャンネル1のインタビューの中で、現在の紛争が核戦争にエスカレートするリスクはかなり高いとして、こう主張しました。

「ロシア側は核戦争のリスクを人為的に高めたくない。多くの人がそれを望んでいる。危険は深刻かつ現実であり、過小評価してはならない」

ロシアを逆なでするアメリカの武器支援強化

この発言に至った背景にはロシア側に、欧米諸国のウクライナ支援の本質が「ロシア崩壊を狙ったアメリカとその同盟国による計画」だと、映っていることが挙げられると思います。

特に問題であるのは、ウクライナへの武器供与です。ロシア政府は4月12日、正式な外交文書で、アメリカと北大西洋条約機構(NATO)諸国がウクライナへ武器を提供し続けていることが、ウクライナに「燃料を与えて」おり、「予測できない結果」につながりかねないと警告しています。

それにもかかわらずアメリカは、同盟国に呼びかけてウクライナへの武器支援を強化する国際会議を開きました。同会議には日本を含む約40カ国が参加した模様で、今後も定期的に開催するとされています。

バイデン大統領の対応は、ロシアの神経を逆なでし、むしろ核戦争を煽っているようです。

4月12日に収録された大川隆法・幸福の科学総裁のバイデン大統領の守護霊による霊言「神から見放された男-バイデン守護霊の霊言-」では、バイデン氏守護霊は次のように本音を語っています。

ロシアに弱い者いじめさせて、核兵器使わせたくて誘導してはいるんだよ。ロシアが核を使えば、報復していいことになるからね。やりたいんだよな。ロシアの核を、使わせたいんだよ。うーん。ゼレンスキーに最後までやっていただこうじゃないか

ロシア領内への攻撃がプーチン大統領の怒りに火を付けた

ロシアの怒りの火に油を注ぐ要因はもう一つあります。それはウクライナ軍によるロシア領土内への攻撃です。日本のメディアでは、ロシア側の被害について詳細な報道があまりなされていないので、ほとんど知られていません。

3月末より報告されていますが、3月29日にベルゴロド近くの弾薬庫で爆発が起きたのを皮切りに、4月1日にはウクライナ軍のヘリ2機がベルゴロドの燃料貯蔵庫を攻撃しました。

ベルゴロドはロシア軍の重要な補給拠点の一つで、ウクライナ東部戦線を支える重要なロシア補給拠点と見られます。4月25日には、ブリャンスクの石油貯蔵施設でも火災が発生しています。

これらの攻撃に対して、ロシアは「アメリカなどがウクライナに対して、供与された武器を使ってロシアを攻撃するよう公然と呼びかけている」とアメリカやその同盟国を非難しています。

欧米の介入は「欧米によるロシア崩壊を狙う行為」

プーチン大統領は立法議会で4月27日、「外部の者がウクライナに介入し、ロシアに戦略的脅威を与えようとするなら、我々は電光石火の対応を取るだろう」「我々には(対応するための)あらゆる手段がある」「必要に応じて使用する」「この件についてはすでに、あらゆる決断を下している」と発言しました。ここでいう「手段」には、核ミサイル使用が含まれている可能性が十分にあります。

プーチン大統領の眼には、この紛争がウクライナを舞台としたアメリカの代理戦争、つまり「ロシア崩壊を狙った間接的な戦争行為」に映っていると考えられます。

圧倒的に少ない軍事予算から核に依存せざるを得ないロシアの軍事事情

ロシアはNATOなど西側からの武力攻撃に際しては核による反撃を否定していません。ロシアの現在の軍事ドクトリンは2014年に発表されたものですが、その内容は「他国からの攻撃がロシアの国家存続の脅威になる場合には、対抗手段として核兵器を使用する権利を留保する」というものなのです。ですからプーチン大統領が2月27日に戦略的核抑止部隊に特別警戒を命じたことは、想定内の行動でした。

では、なぜロシアは核兵器に頼るのでしょうか。端的に言うと、ロシアの通常戦力がNATOに対抗できるほど強力ではないからです。

ロシアの防衛費は約7兆円で、日本の約5兆円超と比べてもそれほど多額の予算でないばかりか、アメリカの約90兆円をはじめとしたNATOの防衛予算にもはるかに及びません。

そのため、アメリカとその同盟国のウクライナへの軍事支援に、プーチン大統領が反応しないはずはありません。むしろ核を使用してでもロシア存亡の危機を止めたいと考えています。結果、脅威認識が高まるのは必然だと言えます。

冒頭のラブロフ外相が述べているように、ロシア側は「核戦争のリスクを高めたくない」というのが本音でしょう。しかしアメリカなどが一段とロシア敵視政策を推し進めれば、現実の危機としての核戦争が起こりかねないと、強く懸念しています。

バイデン氏は4月28日にも、ウクライナ支援に向け330億ドルの追加予算の計上を議会に求めました。

ドイツ議会も同日、重火器を含む武器提供を圧倒的多数で承認しましたし、イギリスも武器供与に熱心です。

繰り返しますが、これらの戦争のエスカレーションの背景には、アメリカなどの悪意を感じざるを得ません。

フィンランドやスウェーデンもNATOへの加盟を検討しているとされています。しかし米国際政治学者のアン=マリー・スローター氏が5月6日、英紙フィナンシャル・タイムズ紙に寄稿していたように、NATOの拡大は、両陣営の亀裂を深めるだけで、平和的解決を一層遠のかせることになります。超大国のリーダーのミスリードによって、悲劇的にも世界は終末へと向かっているかのように見受けられるのです。

また米国際政治学者のミアシャイマー教授は、英エコノミスト誌への寄稿「なぜ西欧はウクライナ危機に責任があるのか」の中で、「ウクライナ戦争の種は2008年4月に開催されたNATO首脳会議でまかれた」と主張しています。同会議では、ブッシュ政権(当時)が、ウクライナとジョージアのNATO加盟を発表したことに対し、プーチン大統領は、「ロシアの実存的脅威であり、必ず阻止する」と反発しています。しかしアメリカはこの警告を無視したのです。その結果、4カ月後の8月に、ロシア軍はジョージアに軍事侵攻しました。

さらにミアシャイマー教授は、今回のウクライナ戦争の直接的な原因は、昨年11月にアメリカとウクライナが締結した「戦略的パートナーシップ憲章」にあると述べています。この憲章は、ウクライナのNATO加盟をアメリカが改めて約束したものでした。ロシアのラブロフ外相は「沸点に到達した」と警告し、ウクライナのNATO加盟放棄を書面で約束するよう要求しましたが、アメリカとウクライナは、再度これを無視したのです。

それでもロシア側は「NATO不拡大に関する合意案」をweb上で公表し、何とか欧米との妥協点を探ろうとしていましたし、さら12月には「新たな欧州安全保障枠組みに関する条約案」を欧米に提示しましたが、アメリカはやはりこれを拒否しています。

アメリカは、ロシアのジョージア侵攻の原因が、NATO加盟への動きであったと知りながら、今回もあえてウクライナのNATO加盟を推進しました。これはロシアにとっては、最後通牒を受け取ったに等しかったのです。

これらの経緯を振り返りますと、アメリカはロシアに戦争を起こさせたかったのではないかと考えざるを得ません。あたかも日本に飲めない要求を突きつけて、対米戦争を決意させた「ハルノート」と同じずる賢さを感じます。

世界で紛争が同時多発で勃発する危険も

このような状況を踏まえると、ロシアが究極的に取り得る方策には、次の二つが含まれるのではないか思います。一つは、ウクライナ周辺の武器供与に協力する国への核攻撃の可能性です。

もう一つは、アメリカのウクライナ支援をやめさせるために、他地域で紛争を勃発させる可能性です。

前回、北朝鮮とロシアの共闘の可能性を指摘しましたが(https://the-liberty.com/article/19384/)、ウクライナ紛争が起きたことによって、ロシア・中国・北朝鮮の連携が出来つつあると見るべきです。さらには、ここにイラン・シリア・中南米などの反米諸国家が加わることも十分にあり得るでしょう。(後編に続く)


HSU未来創造学部では、仏法真理と神の正義を柱としつつ、今回のウクライナ情勢などの生きた専門知識を授業で学び、「国際政治のあるべき姿」への視点を養っています。詳しくはこちらをご覧ください(未来創造学部ホームページ)。

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2022年5月2日付本欄 バイデン守護霊が放言 「アメリカ人は一人も死んではいけないが、ウクライナ人が何人死んでも関係ない」

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2022年4月3日付本欄 北朝鮮・ICBM連続発射の"嫌な予感" 世界を反米で共闘させる前にバイデン大統領は対露政策を変えよ【HSU河田成治氏寄稿】

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