バイデン米政権の誕生を見据え、中国は、菅政権の力量を試すべく、王毅外相を来日させた。1年ぶりの来日となった王外相の様子からは、まるで鳩山政権の時代に、中国の温家宝首相が鳩山氏の後ろ盾のように来日した時の感があり、菅義偉首相につけこもうとして、意気揚々とやって来た印象さえ受ける。

24日に行われた会談で日中両国は、新型コロナウィルスの感染拡大で中断していた「ビジネス関係者の往来」を月内に再開することで合意。習近平国家主席が参加の意思を表明した環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)や、日本が掲げるインド太平洋構想などについて議論された。

会談内容から見ると、やはりと言うべきか、中国の狙いは「経済的なところから攻めて、早速日本を取り込むこと」だった。中国側からすると、日中は、コロナ問題で停滞した経済交流の活性化や、地球温暖化対策などで利害が一致しているように見えるのだろう。

中国は、アメリカの国力が衰退していくと見て、経済面などで"日中同盟"のような関係にもっていくことができれば、他のアジア諸国も従わざるを得なくなると考えているのであろう。コロナの感染者が急増する欧米を差し置いて、「中国と日本だけは"感染者"が少ないので、日中だけは自由に行き来して、二国間だけの経済発展を続けよう」などと、今後いっぱい言ってくることだろう。

実際、24日付産経新聞は、王氏が経団連の中西宏明会長との面談を要望していたと報じており、コロナ禍であっても"日中新時代"を開く先鞭をつけようとしているのは明々白々である。


「中国に来るとお金があるぞ」に騙されるな

一方で王氏は、尖閣諸島の領有権を譲らない意思を強調し、日本側をけん制することを忘れなかった。尖閣のみならず、多数の中国漁船が日本海沖の大和堆(やまとたい)でも密漁を続けており、日本の安全保障環境を圧迫している。中国の異常な軍事拡張により、日本の安全保障環境は年々悪化し続けているのだ。

だが菅政権は、「経済は中国、軍事はアメリカ」という二股外交を安倍政権から継承しているだけに、中国の経済的な攻勢に脆弱な体質となっている。今後、オバマ前政権のように、アメリカの世界に対する影響力が後退し、日本が国防を根本的に改革しなければ、香港や台湾、ウイグルだけでなく、沖縄までも中国にとられる悲劇は十分起こり得る。

日本は、日米同盟を堅持しなければならない。同時に対中包囲網を引き続き強化し、核戦力を有するロシアとも連携して繋がらないといけない。

中国は、「自国に来るとお金があるぞ」と甘いことを言って、どんどん攻め込んでくるだろう。菅首相よ、中国の甘い罠に騙されるな!


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