7日発信のロイター通信によると、エジプトの大規模な反政府デモが続く首都カイロのエジプト考古学博物館に先週暴徒が侵入して、ミイラ2体が壊されたと伝えていたが、すべて無事であったことが明らかになった。

エジプト考古最高評議会のザヒ・ハワス事務局長の談話として、「(被害に遭ったのは)ミイラではない。CTスキャンの機械から頭蓋骨2つが持ち去られた。博物館は今日、すべてが元通りになるだろう」と語ったという。

暴徒侵入によりツタンカーメン王の像など被害に遭った70点の展示品は全て修復が可能だという。エジプト考古学ファンなどはほっと胸をなでおろす情報だが、実際に多くの考古学遺産が壊されたことに違いはない。完全修復は本当に大丈夫なのだろうか。

かつて岡倉天心は、明治の廃仏毀釈の憂き目にあった多くの仏像の痛ましい姿を見て、仏像を救おうと立ち上がった。そして信仰の対象となって崇められ、日本人の心のよりどころになっていた仏像に対して、仏像保護に乗り出した。エジプト国民からもエジプトの岡倉天心となる人物が出ることはないのだろうか。

さて、気になるのは、暴徒が持ち去ったものが頭蓋骨2つということ。この頭蓋骨はいったい何なのか? そして何を目的に持ち去ったのか? 疑問はふくらむ。(ア)

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