大手総合電機メーカーの東芝が行った不正会計処理の問題が、新聞やテレビで大きく取り沙汰されている。

田中久雄社長はこのほど会見で、「当社140年の歴史の中で最大とも言えるブランドのイメージの毀損があったと認識している」と述べ、自身を含めた経営幹部9人が引責辞任することを表明した。

東芝の決算を調査してきた第三者委員会は、同社が過去5年の決算で利益を1518億円水増しし、「組織判断として行われた」とし、同社に報告書を提出。引責辞任した幹部の中には歴代の社長3人も含まれた。第三者委員会から、粉飾決算が組織的に行われたと指摘されるのは仕方のないことだろう。

東芝は戦中・戦後の日本の発展に貢献した

東芝は戦前から日本の発展に貢献してきた企業だ。前身である東京芝浦電気株式会社は、先の大戦中、無線機や発電機、真空管などの軍事物資の生産を通じて、産業面から支えた。戦後も高度経済成長に貢献し、日本を技術大国へと導く原動力になった。

こうした歴史を持つ、日本を代表するトップメーカーの不祥事ということもあり、この衝撃は大きい。海外の投資家が損害賠償を求めて提訴するなどの動きも出てきた。近年、IHIやオリンパスなどの大企業の粉飾決算が相次いでいるが、こうしたことが続くと日本企業全体に対する信用の失墜にもつながりかねない。

世界トップ経営者の守護霊が語る、経営の真髄とは?

大川隆法・幸福の科学総裁は2010年7月、経営危機に陥っていたゼネラル・エレクトリック(GE)を再建させたジャック・ウェルチ氏、日産をV字回復させたカルロス・ゴーン氏、マイクロソフト社の創業者であるビル・ゲイツ氏の守護霊を相次いで招霊。経営の真髄に迫った。

その中で興味深いのは、カルロス・ゴーン守護霊の次の発言である。

「一般に、大きくなった会社の問題はね、いちばん腐ってくるのは、どこかって言ったら、やっぱり情報隠蔽なんだよ。情報隠蔽から腐り始める。だいたい、人間は、ほめられるのは好きで、叱られるのは嫌いなものなんだよな。だから、上に悪い情報が上がらなくなるのが、まず第一弾の兆候なんだよ。下は失敗していることを隠蔽し始めて、いい情報だけを上げる。それで、上に座っている人間は、だんだんお飾りになって、張り子の虎(になる)」(大川隆法著『逆転の経営術』幸福の科学出版刊、所収)

今回の東芝の不祥事では、経営トップが現場に過大な目標を押し付けた面も報じられており、上が悪いのか下が悪いのか一概に断定することはできない。ただやはり、どこかの時点で誰かが「私」を捨て、「公」を優先させ、「これは間違っている」と指摘しなければいけなかったはずだ。

こうした「情報の隠蔽」が明るみになったことを機に、業績が傾いたり、大量のリストラが行われたり、企業そのものが倒産する危険性もあるだろう。小さな「嘘」や「ごまかし」の積み重ねが、多くの社員の生活や顧客の信頼など、多くのものを失わせる。その代償は大きい。

その意味で、経営者はもちろん、企業や団体に所属するあらゆる人々は、東芝の問題を対岸の火事とするのでなく、反面教師として多くのことを学べるだろう。(冨)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『逆転の経営術』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1071

幸福の科学出版 『景気回復法』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=83

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