ジョン・ナッシュ氏(画像は、Wikipediaより)。

「ゲーム理論」の研究でノーベル経済学賞を受賞し、天才数学者と評されたジョン・ナッシュ氏(86)がこのほど、交通事故で亡くなった。同氏は、精神障害の一つ「統合失調症」に苦しみながらも、数々の業績を残し、その半生が映画化(「ビューティフル・マインド」)されるなど、世界的に知られた数学者であった。

ナッシュ氏は幼少期より勉強熱心で、12歳の頃には自室で実験し始めたと言う。その神童ぶりを示すように、彼がプリンストン大学院に進学を希望した際、カーネギー工科大学の R.J.ダフィン氏が、大学院への推薦状に「この人物は天才です」と1行しか書かなかった。だが一方で、ナッシュ氏は、常人には理解ができない"奇行"も多く、一部からは「狂人」呼ばわりもされた。

数学の思索は座禅と似ている

「天才と狂人は紙一重」という言葉もあるが、それを見分けることは難しい。

これに対し、大川隆法・幸福の科学グループ総裁は著書『「未来産業学」とは何か』の中で、ナッシュ氏についてこう述べている。

「この人は、数学的には天才だが、異常の世界に入り込んでいるということでしたが、要するに"見える"わけです。本当は、霊界のいろいろなものが見えて、そうした人たちが話しかけているのですが、それについての知識を持っていないために、分からないのです」

「『病気にかかっていた』ということになってはいるのですが、おそらく、実際には、そういうものを突き詰めていく、数学の天才というレベルまで行くと、精神を集中して座禅などに取り組むのと同じ効果があり、あまりにも純粋で透明になって真理に向かっていくと、その世界に通じていくのではないかと思うのです」

数学での思索は、座禅と似ている。ナッシュ氏は研究に没頭する中で、目に見えないものまで見えたのであろう。ナッシュ氏は決して、狂人ではないのだ。

現代の科学に疑問符をつける岡潔博士

また科学と宗教に関連して、日本の代表的数学者の一人である岡潔氏は数々の思想を残している。

例えば、岡氏は講演で「物質は諸法則を常に守って決して背かない。何故か。これに対しても自然科学は一言も答えられない。(中略)人は感覚することができる。何故か。これに対してすら自然科学は一言も答えることができない」などと本質的な疑問を投げかけ、唯物的側面が強い"科学の常識"に対して疑問を呈していた。

科学と宗教の関係を突き詰めれば、両者は対立したものではないことが分かる。科学界は、唯物論に傾斜する現在の風潮を改め、「神がつくられた世界」を解明するという使命に立ち返るべきだ。(山本慧)

【関連書籍】

大川隆法著 『「未来産業学」とは何か』 幸福の科学出版

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1049

大川隆法著 『湯川秀樹のスーパーインスピレーション』 幸福の科学出版

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1087

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