大阪都構想の賛否を問う住民投票が17日に投開票日を迎える。幸福実現党は12日、大阪都構想に関する声明を出した。

要旨は以下の通り。

  • 幸福実現党としては大阪都構想に反対の立場。大阪都構想は中央集権体制を打破し、道州制の導入に向けたもの。メリット・デメリットについて、住民に十分な理解が及んでいるとは言い難い。

  • 米軍普天間基地の移設問題をめぐって、沖縄では国と県との対立が深まっている。地方の権限肥大化を招く道州制のもとでは、国家としての外交・安全保障政策などの遂行に困難が生じかねない。

  • 「基地移設反対」や「反原発」などの世論が盛り上がり、政治不信を背景に直接民主主義を求める風潮が台頭しつつある中、住民投票については、慎重な議論が必要。

大阪都構想は亡国への道

今のところ、大阪都構想は、「二重行政の無駄をなくす」ことに焦点が当たっているが、幸福実現党の声明にもあるように、大阪都構想の本質は道州制の実現である。

道州制と聞くと、財源に乏しく、疲弊した地域が活性化することなどを期待する人は多いかもしれない。確かに道州制の導入で、地方が強みを生かして発展していく可能性もないとはいえない。しかし中国の軍事覇権が強まっている今、大阪都構想が実現し「地方主権」が強まれば、国家の解体、亡国への道につながりかねない。

例えば、大阪府が府の経済発展のために、独自に中国や韓国と通商協定を結ぶといった事態もあるかもしれない。そうなれば、大阪府の意見に引っ張られ、国家として機敏な動きがとれなくなってしまう。有事の際には、安全保障上致命傷になりかねない。

現実に沖縄では、「琉球独立論」がくすぶり、一部では中国への属国化の動きも見られる。現時点で沖縄の独立を支持する県民はほとんどいないものの、昨年11月中国との関係が深い翁長雄志知事が誕生。今後の国の政治の舵取り次第ではどうなるか分からない。

住民投票で国政が左右されることの危うさ

そもそも、地方の住民投票が国防に大きな影響を与える事態は避けなくてはならない。

沖縄県の与那国島では40年以上前から自衛隊の誘致活動が行われており、町長選や町議選のたびに、誘致の是非をめぐって町民同士が対立。今年2月に行われた住民投票では、賛成派が過半数を占めたもの、もし反対多数となっていたならば、1500人程度の島民の意思が国政を左右し、国防上の危機を招いていたかもしれない。

日本のような国土が小さな国では、中央集権体制でなければ、国の安全保障は担えない。地方自治の範囲には限界があるのだ。(冨)

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2013年3月21日付本欄 与那国への自衛隊配備 町長が10億円要求で来年度にずれ込み

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2010年12月号記事 沖縄には米軍も自衛隊も必要だ 現地ルポ 沖縄本島・石垣島・与那国島

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