「わが社がお客様や株主、社員の期待に十分に応えられていないことについて、非常に重い責任を感じている」

外食産業大手の日本マクドナルドのサラ・カサノバ社長は16日、記者会見の場でこう語り、業績が2期連続の赤字になる見通しであると発表した。同社は今後、131店舗を閉鎖し社員の15%にあたる100人の早期退職を実施するという。

また同日、大手電機メーカーのシャープの経営再建計画案の全容が明らかになった、3月期の純損益は2千億円規模の赤字になる見通しで、銀行などから計2250億円の金融支援を受ける方向で最終調整に入った。液晶テレビを生産する栃木工場を閉鎖し、本社を売却するなど、大規模なリストラ策などを行い、経営立て直しを急ぐ。

経営不振の原因の一つは変化する顧客のニーズを満たせていないこと

今、業界のけん引役であるはずの企業が苦しい経営を迫られている。消費増税の影響や円高など、経営不振の原因は様々で業界や企業ごとに違うかもしれないが、その一つに、変化する顧客のニーズを十分に満たせていないことがあるのではないだろうか。

大川隆法・幸福の科学総裁は、近著『実戦マーケティング論入門』で、マーケティングの秘訣についてこう述べている。「お客さんがショーウインドーを見て店に入り、買い物をするかどうかということには、『ショーウインドーのマネキンに着せる服が、時期や、その日のお客様の感度、あるいはニーズに合っているかどうか』、つまり、『店員が、合っているものを出せているかどうか』ということが極めて大きいのではないでしょうか」

モノが売れない時期だからこそ、顧客が求める商品を開発できるかどうかが、会社の生き残りに関わる重大な問題となる。

顧客の強いこだわりを満たす物件を扱う東京R不動産

こうしたマーケティングのコツをつかんだ企業の一例として、16日放送の「カンブリア宮殿」(テレビ東京)で取り上げられた東京R不動産は興味深い。

「見晴らしの良いレトロな味わいのある古民家で、東京の都会生活に彩りをつけたい」「太平洋を一望できる広々としたテラスから満天の星、幻想的な朝焼けを楽しみたい」

東京R不動産は、こうした顧客の強いこだわりに応えるリノベーション(改築)物件を中心に扱っている不動産会社だ。自分達が魅力を感じる物件をブログに掲載するという形で事業はスタートした。

今でこそ東京R不動産はそのユニークさで注目されているが、事業開始時は顧客のこだわりにははっきりと気づかなかった。事業を進める中で、自分達が扱う物件に対する顧客の潜在的なニーズに気づき、事業の拡大につなげていったという(16日放送「カンブリア宮殿」(テレビ東京))。

また、従業員はアパレル業界出身者など、不動産業界で働くのは初めてという人が多いという。顧客の強いこだわりを満たせるのは、こうした従業員たちが、業界の固定観念やルールに捉われず、自ら現地に足を運んで物件を選んでいることも大きく関係している。

顧客のニーズは多様で、住んでいる地域、性別、年齢などによって変化する。画一的な「サービス」「販売」などの"役所仕事"を行い続けていても、それらを満たし続けることは困難だ。「マーケティング」を通して「顧客の立場」で「顧客が何を求めているのか」をキャッチできる企業が今後大きな成功を収めていくだろう。(冨)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『実戦マーケティング論入門』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1440

幸福の科学出版 『イノベーション経営の秘訣』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1267

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