『マネジメント』など数々の経営書を世に送り出したP・F・ドラッカー(1909~2005年)は、95歳で亡くなるまで生涯現役で仕事を続けた。その成功の裏には、2014年10月に103歳で亡くなった妻・ドリスのユニークなサポートがあったことは、あまり知られていない。
「イノベーション」を続けた妻
妻・ドリスの一生は、変化に富んでいた。
彼女はドイツ系ユダヤ人で、大学では法学を修めた。その後、ナチスの台頭を嫌い、1932年にドイツからオランダに移り、後にイギリスの食品会社で働く。そこで、ドイツ時代に知り合ったドラッカーと電撃的に再会。その後、ドラッカーと結婚し、アメリカに移住した。
アメリカ移住を思いついたのはドラッカーだが、実行することを宣言して実際に行動に移したのはドリスだった。大きな変化を恐れることなく、そこに新たなチャンスを見出して夫の背中を押したのだ。