NHK総合の「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー 超常映像 謎解きスペシャル!」(3月28日放送)では、さまざまな超常現象を捉えた動画や画像を紹介し、ニセモノの見分け方を説明した。しかしそれは、番組制作側の意図が色濃く反映されたものだった。

番組では、天使や幽霊、人魚などが写る衝撃映像の正体は、企業のCMやニセのドキュメンタリー番組などのために作られた、合成動画だと説明した。

その中で、ネット上に不思議な動画が多い理由として、動画を売っている企業があると紹介。あるドイツ企業は番組取材に対し、昨年は動画が120本も売れ、特に日本からの問い合わせが多かったとしている。

ニセモノばかりを紹介する中で「動画を売っている」と言われたら、そうした動画すべてが合成だと思ってしまうかもしれない。しかし、番組を注意深く見ると、そのドイツ企業は「映像提供者と独占契約をしている」としか言っていない。

また、ネット上の超常現象動画の中には、海外のニュース番組など、専門家の調査がなされた上で正体不明とされているものも多い。例えば、未確認飛行物体(UFO)とされるもののうち、専門家が調べれば95%は正体が分かるという。それでも、分からない5%が残るため、すべてをニセモノとして片づけることはできない。ネット上のUFO動画の中には、政府機関が調べた結果、無人機でも光学的なものでもない、UFOと表現するしかない現象を写した動画もある。

せっかく超常現象を扱う番組なのに、そうした「謎解き」の結果、本物である可能性が高い動画や、その見つけ方を紹介しないのはどういうことなのだろうか。ニセモノばかりを見せることで、「不思議な動画はすべてニセモノ」と思わせる意図があるのではと勘繰りたくなる。

そもそも、正体の分からない飛行物体は国防上、監視すべき対象であり、未知の生き物である可能性の高いものは、科学的な研究対象になりうる。NHKにはむしろ、そうした情報を国民に知らせる役割があるのではないだろうか。(居)

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