NHKが最近、超常現象を科学で解明する番組を数多く放送しているが、その検証内容は科学的とは言えないものばかりだ。

その一つである「幻解!超常ファイル」では、「衝撃!UFO映像徹底分析」と題して2回に分け、計14種の未確認飛行物体(UFO)映像を分析している。21日放送ではパート1として、「ロシア・チェリャビンスク州に落ちた隕石を破壊したUFO」や、「宇宙人からのメッセージを伝える3色のUFO」、「白いUFOの編隊」などを取り上げた。

長年UFOを研究してきた、映像解析と天文のプロの2人の解説によると、この中で登場したUFOはすべて、ロケットや電飾凧、風船など、その正体を説明できるという。

このうち、「ロシアの隕石を破壊したUFO」とは、2013年2月の白昼、直径15メートルはある隕石が落下し、その衝撃波で1000人超のけが人が出た事件だ。隕石を写した動画が、空中で爆発する直前の隕石の後方から、UFOらしきものが突き抜ける様子を写していた。

「宇宙人が隕石を破壊した」などと世界中で話題になったが、このUFOについては、動画を撮影した車載カメラをつけていた車のフロントガラスに傷があり、そこに光が反射したものであると説明。車が右折する際に、フロントガラスの傷が隕石を追い越したように見えたのだという。

だが、ロシアの隕石については、他の車の車載カメラが別の角度から写した動画でも、隕石が爆発する直前、そばに不思議な光が現れた様子を写している。また、もう一つの別のカメラも、爆発直後に残った小さな隕石に、不思議な光が突入する様子を写していた。フロントガラスの傷では解明したとは言えない。

NHKの同番組では、「これで説明できる」という説を一つ示せば、それですべての正体を暴いたという結論になっている。しかし、それではあまりに乱暴な論理であり、こじつけと言わざるをえない。

たとえば、かつては天動説で、太陽などの天体の運動をかなりの精度で計算できていたが、同じように地動説でもきちんと説明できた。そして、地動説が正しかった。真実はひとつでも、ある現象に対して、論理的に成り立つ説明はいくつもありうる。

大川隆法・幸福の科学総裁が、ある宇宙人の魂を招霊した際、ロシアの隕石の爆発について尋ねたところ、「地球の防衛任務に就いている宇宙人の仕事」「その程度だったら簡単だ」とその宇宙人は答えている。(『ダークサイド・ムーンの遠隔透視 月の裏側に隠された秘密に迫る』(大川隆法著)

海外では、UFO情報を集める機関はイギリスやフランスなどに数多く設置されており、例えばチリでは、報告されているUFO情報のうち30%弱は科学的に説明ができていないという。NHKのホームページでは、同番組について「『今、何がどこまでわかっているのか?』を徹底検証!」と紹介しているが、「まだわかっていないもの」まで示さなければ、「どこまでわかっているのか」を示したことにはならない。

「解明できた」と思えるものだけを取り上げ、UFOすべてが否定されているかのように見せるNHKのスタンスは、科学的とは呼べないだろう。公共放送の名にふさわしい、バランスのとれた構成が求められる。(居)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『ダークサイド・ムーンの遠隔透視』 大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1143

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