中国がユネスコに提出した「従軍慰安婦」の資料。

中国は現在、「南京大虐殺」「従軍慰安婦」に関する資料を、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)に提出し、ユネスコ記憶遺産への登録を目指している。この資料についてこのほど、その内容が判明した。

しかし、それらの資料は、「大虐殺」や「慰安婦の強制連行」を裏付けるものは一つもなく、いずれも印象を操作して日本軍が行ったかのように見せかけた「ねつ造」資料であることが分かった。

ユネスコ記憶遺産の登録については、今年5月から審議が始まり、遅くとも8月までには登録の可否が決まる予定。日本政府は、中国の「ねつ造」に対して、全力を挙げて反論すべきだ。そうしなければ、半永久的に「日本人は過去、殺人鬼集団であり、強姦集団だった」という嘘が、国際社会で「事実」と認識されてしまう。

「南京大虐殺」の資料に対しては、このほど幸福実現党(釈量子党首)が反論文書を作成。その詳細を、3月30日発刊の本誌2015年5月号に掲載した(本Web記事にて閲覧できる http://the-liberty.com/article.php?item_id=9361 )。

今回、本欄では、「従軍慰安婦」の資料に関する、ねつ造の一部を紹介する。

慰安婦は「性奴隷」ではない

日本兵と家族の手紙。

中国の申請書には、「日本軍は組織的に、慰安婦20万人以上を強制連行し、女性たちを性奴隷(セックス・スレイブ)にした」とあり、それを示すものとして、憲兵の資料や日本兵の供述書などの資料を提出している。

例えば、その中の一つに日本兵とその家族の手紙がある。これを抜粋・紹介すると、次の通りだ(●は判読不明、〇は伏字)。

「部●移動によって〇〇方面に移動せねばならない時などは女は簡単に自分の荷物を纏めて自分の恋人の異動して行った●に行き又其處(そんなところ)でそんな處に入り男も又良く来たなと許りあしらって●●な同棲生活が始まるこんな具合に●●から●●へと恋人を追って行く女も限りなくある」

分かりやすく表現すると、「日本兵と恋仲になった慰安婦が、その恋人の後を追って移動した例が数多い」というものであり、日本兵と慰安婦の恋愛の話だ。この資料は逆に、慰安婦が自由な移動が許されていたことを示しており、性奴隷説を否定する資料と言ってもいい。中国側は、「日本兵は慰安婦を奴隷にした」との写真説明を加えているが、文章の趣旨はまったくの正反対だ。

日本語をまともに理解できれば、「性奴隷」ではないことが明らかな資料であっても、中国は曲解して「性奴隷」の証拠と言い張る。まさに「ねつ造」行為と言わざるを得ない。

慰安婦を暴行した日本兵は取り締まられた

1943年の「憲兵の月報」。

さらに中国側は、1943年の日本の憲兵隊資料を申請。同資料には、「酩酊の上軍慰安所に於て慰安婦に暴行し器物を破損す」とあり、その写真説明にも、「慰安所での日本兵の犯罪」と説明している。

しかし、日本兵の犯罪が記述された欄の下には、「非違通報」と記されている。これは、憲兵が、慰安婦に暴行した日本兵の上官に事件を報告したことを意味している。

もし、慰安婦が「性奴隷」であったのなら、憲兵は軍に通報する必要はない。中国側の狙いとしては、日本軍が慰安婦に日常的に暴行していたことを示したい思惑が見え隠れする。

政府は中国のプロパガンダに反論せよ

このように、中国が提出した「従軍慰安婦」に関する資料は、日本軍が組織的に慰安婦を強制連行し、奴隷扱いしたという説を何一つ裏付けるものではない。それどころか、明らかに否定している資料すら含まれている。

ところが、日本政府はこれまでのところ、中国の申請を撤回させるなどの強い姿勢を示さず、明確な反論も試みていない。日本政府は、中国のプロパガンダ(政治宣伝)に対して全面的に反論すべきだ。

※本欄で紹介した、中国の「従軍慰安婦」に関する資料への反論の詳細は、4月30日に発売する本誌6月号に掲載予定。

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2015年1月15日付本欄「南京」「慰安婦」を記憶遺産にしてはいけない理由【そもそも解説】

http://the-liberty.com/article.php?item_id=9046

2015年4月号記事 南京大虐殺・慰安婦 世界記憶遺産への登録中止を申し入れ - 幸福の科学がユネスコに直訴 - The Liberty Opinion 2

http://the-liberty.com/article.php?item_id=9230