観光名所の博物館に響く銃声、逃げ惑う外国人観光客――。

北アフリカ・チュニジアの首都チュニスにある国立バルドー博物館で18日、武装集団が観光客を人質に立てこもり、無差別に銃を乱射するテロ事件が起きた。3人の日本人を含む外国人観光客ら計21人が死亡したほか、40人以上が負傷した。

その翌日、「イスラム国」がインターネット上で音声による犯行声明を公表した。声明の中でイスラム国は、今回のチュニジアでの襲撃は「最初の雨粒にすぎない」と述べ、新たなテロ攻撃を予告した。

民主化後、安定していたチュニジアでなぜ……

チュニジアといえば、2010年から11年にかけて「ジャスミン革命」と呼ばれる民主化運動が起きた場所だ。「アラブの春」と呼ばれる中東の民主化運動の中、チュニジアは民主化のプロセスが進み、政情も比較的安定している。「『アラブの春』の唯一の成功例」と言われてきた。そんなチュニジアで、なぜこのようなテロが起きたのか。

一つには、外国人観光客を狙うことで、国際社会にイスラム国の恐怖を植え付ける意図があったと考えられる。

また、イスラム思想研究者の池内恵・東京大学准教授によると、イスラム国にとって中東諸国の安定化は、自らの勢力拡大にとっての障害になるという。イラクやシリアのように国家が崩壊していれば、テロ集団に対して手が打てない。しかし、国家の体裁が保たれている国ではテロ活動は困難となる。特に西側諸国の影響の民主化運動が成功しているチュニジアに、イスラム国はいい印象を持たないだろう。

そんな中、日本政府は1月、「中東諸国の社会を安定化させる」という名目で、各国に人道支援を表明。日本人人質事件につながった。

「対岸の火事」ではなくなったイスラム国問題

こうした背景を見ると、イスラム国の問題は日本人にとって「対岸の火事」ではないことがわかる。

では日本は、イスラム国にどう対峙すればいいのか。欧米諸国のイスラム国殲滅を支援するべきか。他の道を探るべきか。

今まで日本にとって、イスラム教は遠い世界の存在だった感がある。しかし今後は、当事者意識を持って、彼らへの対処を考えていかなければならない。そのためには、イスラム教とは何か、どのような歴史があり、なぜ一部の勢力はテロを繰り返すのかを学ぶ必要があるだろう。

3月末に発行される月刊「ザ・リバティ」5月号では、「中東の10年先の設計図」として、大川隆法・幸福の科学総裁によるイスラム問題解決の提言を解説する。 イスラム国の設立の歴史的背景や思想を理解し、「何が正義なのか」を知りたいと願う方は、ぜひ参照されたい。(真)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『スピリチュアル・エキスパートによる徹底検証 「イスラム国」日本人人質事件の真相に迫る』 大川隆法著

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幸福の科学出版 『イスラム国 "カリフ"バグダディ氏に直撃スピリチュアル・インタビュー』 大川隆法著

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幸福の科学出版 『ムハンマドよ、パリは燃えているか。―表現の自由VS.イスラム的信仰―』 大川隆法著

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