自民党の三原じゅん子参議員が16日の参院予算委員会で、「日本が大切にしてきた価値観として『八紘一宇』がある」と発言した。一部メディアでは、「八紘一宇」を「太平洋戦争中、日本の侵略を正当化するため使われていた標語」と説明し、発言を問題視している。

「八紘一宇」には、本来そのような過激な意味があるのか。

「八紘一宇」はアジア植民地の解放を意味する

「八紘一宇」は、日本の初代天皇である神武天皇が建国の詔勅で述べた「八紘をおおいて宇と為さん(人類は みな同胞であり、天下を一つの家のようにする)」という言葉から生まれた標語だ。

同語は戦時中、近衛文麿内閣の下で掲げられた。その背景には、欧米の人種差別や植民地主義により、アジア諸国が大きな苦痛を受けていたことがある。日本はアジアの共存・共栄を目指す「大東亜共栄圏」を形成し、欧米の植民地支配を終わらせようとしていた。

「八紘一宇」の意味は「人類愛」「アジアの安全保障」

この認識は、決して日本の独りよがりなものではない。

歴史学者でカーディフ大学教授のデービット・ウィリアムズ氏も、本誌2014年6月号のインタビューの中で、「八紘一宇」は決して侵略を正当化するものではなかったと主張。この言葉は、理念としては「普遍的な人類愛」、外交的には「アジアの安全保障」として理解すべきだと述べた。

ウィリアム氏は第二次世界大戦について、「連合国がどんなに『日本は間違っていた』と言おうとも、日本の戦いが、アジアにおける欧米の植民地支配の幕を下ろさせた事実は、誰も否定できません」という。

実際、1919年の国際連盟のパリ会議で、日本は世界で初めて、国際会議の場で人種差別の撤廃を掲げた。「人類愛」は決して偽善ではなかった。

侵略を受けたのは日本だ

そもそも先の大戦で日本の開戦のきっかけを作ったのは、アメリカだ。アメリカは日本に対して、国家の生命線である、石油などのエネルギー源の禁輸を行うなどして、日本を開戦に追い込んだ。侵略行為を受けたのは日本だ。

条件反射的に「八紘一宇」を問題視する日本の風潮には再考が必要だ。(冨)

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