韓国に、知的障害者を強制労働させる「奴隷島」が存在することを、このほどAP通信が報じた。

記事によると、その島は南西部の新衣島。そこにある塩田などで、知的障害者ら約60人が賃金をもらえずに、強制的に働かされていた。中には、障害者の家族自身が障害者を島に送り込むケースがあり、警察が保護して家族の元に送り返そうとしても、家族が拒否することもあったという。

これまでに、強制労働をさせていた50人の農園主や仲介業者が起訴されてきたが、その実態を知っていた地元の警察や地方公務員は、1人も処罰を受けていない。また、地方裁判所の裁判官は、起訴された2人の農園主に対し、「これらの犯罪行為は、周辺の塩田農園主によって当然のように行われ、大目に見られていた」などとして、禁固刑を中止した。

ちなみに、この島を含む諸島は、皮肉にも「天使島」と呼ばれている。その由来は、この諸島が1004の島々から成り立ち、韓国語の1004は「天使」と発音が似ているためだ。

韓国では、昨年1月にも、障害者がこの新衣島に売り飛ばされ、塩田などで長時間労働を強いられる「塩田奴隷事件」が発覚。国際社会に大きな衝撃を与えていた。

この事件は、強制的に働かされていた知的障害者の男性と視覚障害者の男性が、警察に救出・保護されたことで発覚した。この2人は、無認可の職業紹介業者に「いい仕事がある」などと誘われ、それぞれ塩田に送り込まれた。2人は、5時間程度の睡眠時間しかとれず、日常的にむちで打たれるなどの暴行を受けていたという。

この時、朴槿恵大統領は「21世紀であってはならない現実」と非難し、警察庁に一斉捜索を指示した。その結果、塩田や養殖場で強制的に働かされていた障害者ら100人以上が見つかった(2014年4月10日付産経ニュース)。

こうしたことが横行する背景には、「障害者は、健常者と比べて、『足りない』ところがある」という差別的な考えがあるのだろう。だが、その考えは極めて「唯物的」である。

大川隆法・幸福の科学総裁が昨年10月、三重苦のヘレン・ケラーの霊を呼んだ際、ヘレンの霊はハンディを持って生まれた人々について、こう話している。

「障害者には、どうか優しくあっていただきたいと思うし、彼らが、そうした世の中の、戦いの世の中を終わらせよう、抑止しようとしてる面もあるんだということ。そういう、内省的で、手がかかる部分が、完全な競争の世界だけにはならないようにしている面もあるんだということは、知っていただきたいと思います」

人間を「物質」としてのみ捉える人にとって、障害者は「不完全」に見えるかもしれない。だが、霊的な真実は違う。障害者も魂は完全であり、それぞれの人がそれぞれの魂修行の課題を持って生まれている。その点では、健常者と変わりがない。こうした真実を知れば、人々の思いや行動も変わっていくはずだ。(三)

【関連記事】

2015年1月号記事 障害者は神の愛を忘れないための防波堤 - 「ヘレン・ケラーの幸福論」 - 大川隆法総裁 霊言レポート

http://the-liberty.com/article.php?item_id=8774

2013年11月号記事 障害、不登校、いじめ、犯罪更生 人生の苦しみを取り除く考え方

http://the-liberty.com/article.php?item_id=6678

2012年7月23日付本欄 なぜ障害者としてこの世に生まれてくるのか? 「着床前診断で選別」の是非

http://the-liberty.com/article.php?item_id=4600

2008年2月号記事 「アスペルガー症候群」の正しい見方

http://the-liberty.com/article.php?item_id=499