中国のウイグル自治区カシュガル市から、BBCのキャリー・グレイシー氏が内部の状況を報告している。海外の記者がウイグル自治区に入ることを許されるのは稀であり、ウイグルの内部を知る貴重な報道となった。

ウイグル自治区は最近、ウイグル人による爆撃や自爆テロで話題になっている地域だ。グレイシー氏によると、中国側はこれらの武装活動を抑止するために、「ウイグルに住むすべての人間は監視されている」と報じている。

一見、武装活動をするウイグル人側に非がありそうだが、問題はそれほど単純ではない。

ウイグル自治区は、1949年に中国に占領される前は、東トルキスタンと呼ばれる国だった。占領後、同地を「中国化」するために、大量の中国人が流入し、現在の人口比率は、ウイグル人45%に対し、中国人は40%ほどである。また、「中国化」政策のもと、ウイグル人たちは、宗教活動に対する規制、就職時の冷遇、基本的人権の剥奪など、圧政の下で苦しんでいる。

習近平中国国家主席は、ウイグル自治区を中国に融合させるために努力すると言ったが、グレイシー氏によると、それはウイグル人の自由を奪い、彼らの文化を圧殺することに他ならないという。

特に、宗教に対する圧迫は顕著であり、公務員や18歳以下の子供は宗教施設で祈ることすら許されていない。中国政府は、「ウイグル人たちは、自分たちを中国人ではなく、イスラム教徒であると認識しているのではないか」と懸念している。そのために、宗教を圧迫して、イスラム教徒としてのアイデンティティーを消し去ろうとしているのだ。

同じようなことは、チベット自治区でも起きている。

中国の「自治区」には、自治もなければ、根本的な自由すらない。中国は、ウイグル自治区の安定を守るとしているが、そもそも自分の国ではない地域なのだから、ウイグル人たちに返し、中国軍が撤退すれば、ことは丸く収まるのだ。

欧米や日本は、ウイグルの武装蜂起を「テロ」ではなく、「独立運動」と正しく認識し、中国の横暴を厳しく糾弾すべきである。(中)

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