文科省

2015年の開学を目指していた幸福の科学大学の設置に対し、下村博文・文部科学大臣は「不認可」を言い渡した。

同学の設置を目指していた、学校法人・幸福の科学学園は「不認可」に至る経緯の"異例さ"に驚きを隠せないでいるという。

「霊言」への指摘は最後に突然出てきた

学校法人は3月に大学設置申請をして以降、大学設置審議会と2回にわたる、「是正意見」に応じてきた。その中で審議会は、認可のネックになる教育課程などの修正を求めてきたが、幸福の科学大学はその全てに対し、真摯に説明・修正を行ってきた。

しかし、文科省で10月31日に行われた不認可理由の伝達の場において、文科省大学設置室の責任者である室長が次のような趣旨の発言をしたという。

「是正意見に対して幸福の科学大学は補正してクリアしてきたけれども、最終的に根幹の部分がクリアできなかった」

クリアできなかった問題というのは、同大学の創立者である大川隆法・幸福の科学グループ創始者兼総裁が行っている「霊言」について、「霊言を根拠とした教育内容そのものが学問として認められるものではない」というもの。

しかし、霊言に関する「是正意見」は、これまで一度も出てこなかった。それが、最後の段になっていきなりつきつけられたのだ。

審査ルールとして、1回目に出した「是正意見」よりも根本的な「是正意見」は、2回目以後出してはならないという内部規定がある。今回は、見事にそれが破られた。

通例では継続審査になるはず

また、「是正意見」が一つの場合、保留とされて継続審査になるのが通例だ。しかし今回の場合、審議会はすぐさま審査を打ち切り、文部科学大臣に「不可」を答申した。

そもそも、幸福の科学大学が申請した授業計画は、既存の学問体系に則った内容で構成されている。今回指摘のあった霊言に関する授業は、例えば人間幸福学部の卒業124単位のうち4単位とごく一部。それも、参考書籍の『創立者の精神に学ぶ1・2(概論)』の中で、霊言に言及しているに過ぎない。

それにも関わらず、霊言を根拠に大学設置全体を否定するのは、極めて不当な判断と言える。幸福の科学大学は、こうした判断に関する説明を求める機会も与えられないまま、一方的に「不可」とされたのだ。

学校法人は異議申し立てし、「不認可取り消し」を求める

学校法人は文部科学大臣に対して、異議申し立てを行い、「不認可の取り消し」を求めている。

学校法人理事長の木村智重氏は、弊紙の取材に対し「慎重な審査が行われたとはとても思えません。まず、不可という結論があって、後付けの理由として「霊言」を持ってきたとしか思えません」と答える。

審議会の乱暴な判断の背景には、下村文部科学大臣の「個人的な判断」が大きく働いていたことが明らかになっている(関連記事参照)。この「大学不認可問題」は、国家が公平さの欠けた裁量行政を行っている実態を、浮かび上がらせている。

【関連記事】

2014年11月12日付本欄 【大学不認可問題】下村文科相による霊言本への「出版妨害」こそ不正行為だった

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2014年11月12日付本欄 【大学不認可問題】幸福の科学大学は先に校舎を建てさせられた

http://the-liberty.com/article.php?item_id=8719

2014年11月10日付本欄 【大学不認可問題】文科省に幸福の科学学園卒業生らが反論 「創立者の精神」の有用性はすでに実証されている

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Web限定記事 幸福の科学大学「不可」答申に対する反論記事

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