理化学研究所は24日、STAP細胞に関する国際特許について、すでに出願している申請を取り下げず、審査開始に向けた手続きを継続する考えを明らかにした。25日付各紙が報じた。

その理由として、理研は各メディアの取材に対し、「STAP細胞の存在が完全否定されたわけではない。細胞が存在するという前提で手続きを進めた」と答えているが、これまでの理研の言動からすると、非常に違和感を覚える。

理研は、小保方晴子・理化学研究所ユニットリーダーを筆頭著者とするSTAP現象を説明した論文について、小保方氏が「画像の取り違えなどの形式上のミス」などと説明したにもかかわらず、「研究不正」と確定させてきた。また、マスコミが一斉に小保方氏をバッシングした際も、理研は組織に責任が降りかかるのを避けるように、小保方氏を突き放す対応に終始した。

4月に小保方氏が記者会見を開いた際も、会見の主催者は理研ではなく、小保方氏本人。会場も理研の施設ではなく、小保方氏個人が自費で用意した大阪市内のホテルだった。

理研が今回のように、「STAP細胞の存在は完全に否定されたわけではない」と言うならば、なぜそのスタンスで小保方氏を守って来なかったのか。少なくとも、小保方氏は論文を撤回する必要もなく、訂正・修正程度で済ませられたはずだ。

また、小保方氏が論文を撤回した背景には、小保方氏の代理人が「検証実験に参加するためには(撤回に)応じざるを得なかった」と明かすように、理研から実験への参加条件として論文の撤回を突き付けられていたようで、こうした対応について、いま理研はどう考えているのか。

理研は、特許を守ろうとするなら、小保方氏を守って当然なはずだ。今回の「特許申請を取り下げない」という対応は、理研の組織としての保身や利益を守るための行為と批判されても仕方がないだろう。

小保方氏の検証実験の期限は11月末。今はその結果を見守る必要がある。日本から世紀の発見や、革新的な新技術を生み出すためにも、理研や日本の科学界は、若い研究者の育成や新しい研究へのチャレンジに励むべきだ。(居)

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