イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の存在は、日本人にとっても対岸の火事とは言えなくなりつつある。

イスラム国の戦闘に参加するため、北海道大学の男子学生(26)が渡航しようとしていたことが7日、明らかになった。その前日に、警視庁公安部が私戦予備・陰謀容疑で強制捜査に乗り出し、北大生の出国を阻止した。イスラム国に参加する外国人戦闘員は、周辺国から陸路でシリアに不法入国するケースが多く、北大生はトルコからの不法入国を計画していたとみられている。

今回、強制捜査を行った背景には、9月に国連安全保障理事会で採択されたテロ戦闘員の渡航の規制・処罰を義務付ける決議がある。イスラム国には多くの外国人戦闘員が加わっており、各国では、イスラム国に参加した戦闘員が軍事技術や過激思想を身につけて帰国し、テロ活動を行う可能性が危惧されており、その阻止に力を入れている。

多くの若い外国人戦闘員が加わる背景には、「イスラム聖戦思想」がある。失業していたり差別意識を持っていたりする若者は、聖戦思想に感化されやすい傾向があるという指摘もある。

イスラム国などのイスラム教過激派組織では、「聖戦」という言葉をよく用いるが、女性への人権弾圧や異教徒への残虐行為が頻繁に見受けられる。これらの行為は「聖戦」というイメージから程遠く、イスラム教があまりメジャーでない日本では、イスラム教の過激な面ばかりが印象づけられている。

しかし、本来、イスラム教の教えは平和や寛容を唱えるものであり、神の下の平等を強調するものだ。このようなイスラム教の平等思想に対して、各国で格差や現状に不満を抱く学生や若者が共感し、イスラム国に参加している可能性も挙げられる。つまり、単なる不満のはけ口だと言い切ることは難しい面もある。

いずれにしても、今後、世界の紛争をなくしていくためには、イスラム教への理解が不可欠だろう。大川隆法・幸福の科学総裁が、2011年8月にムハンマドの霊を呼び出して、霊言を行ったところ(『中東で何が起こっているのか』幸福の科学出版)、ムハンマドの霊は、イスラムの人々は黄色人種の代表である日本人に宗教紛争の終結を期待しているという趣旨のことを語った。

日本人は、今回のような事件にただ動揺するのではなく、世界の紛争解決のためにも、宗教に関する教養を身につけていくことが望まれる。(愛)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『中東で何が起こっているのか』 大川隆法著

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