「民主主義における愛国心教育の大切さ」について、イエール大学名誉教授のドナルド・ケーガン氏がこのほど、米ウォール・ストリートジャーナル(電子版)に寄稿した。ケーガン氏は北米における古代ギリシャ史の大家であり、政治に関しても国防費の増額を訴えるなど保守派として知られる。

ケーガン氏は、教育の目的は「健全な民主主義を行うため、愛国心を養うこと」であると主張。プラトンの著作『国家』やアリストテレスの著作『政治学』で、国民の教育の本質について多くのページが割かれているように、アメリカ第三代大統領のトマス・ジェファーソンもまた、「民主主義は愛国心を育てる教育の上に成り立つという。民主主義とは、市民の参加によって成り立つものであり、『国を守る』という彼らの自由意志によって成り立つからだ」と語ったことを紹介した。

さらにケーガン氏は、過去半世紀の間、アメリカの学校における愛国心教育は後退したと批判し、次のように指摘している。「愛国心とは他の国を中傷したり攻撃したり、あるいは批判なしに自国を賞賛するということではない。それぞれの家庭は、愛し、守らないと栄えることはないように、国も、愛し、守らなければ栄えない」

日本でも第二次世界大戦後、教育の現場では「愛国心」が「軍国主義」や「侵略主義」などと結び付けられ、遠ざけられてしまった。しかし、ケーガン氏の言うように、愛国心とは、国をより良くするものであり、国民を鼓舞するものだ。民主主義が花開くには、国民が愛国心を持つことが前提になる。

日本では、「南京大虐殺」や「従軍慰安婦」などのつくり話が教育現場で教えられ、多くの日本人の愛国心を削いできた。しかし、いずれも虚偽だったことが明確になっており、「河野談話」「村山談話」など過去の間違った政府見解についても見直しが急がれている。誤った歴史教育を改め、健全な愛国心を育てる教育を行うことが、民主主義国としての日本を繁栄させるためにも不可欠である。(晴)

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