南アフリカ共和国政府が、チベット仏教の最高指導者であるダライ・ラマ14世へのビザ発行を拒否していたことが明らかになった。それに対する抗議として、このほどイランの弁護士、シリン・エバディ氏らノーベル平和賞受賞者6人が、来月南アフリカで開催される「ノーベル平和賞受賞者世界サミット」をボイコットすると表明した。AFP通信が報じた。

中国はチベットに対する宗教弾圧を続けており、チベットの精神的指導者であるダライ・ラマを警戒している。南アフリカ共和国政府が今回ビザ発行を拒否した理由は、同国の最大の貿易相手国である中国との関係悪化を懸念したためだという。

南アフリカには30万人以上の中国人が居住していると言われており、近年中国との結びつきを強めている。ただ中国がアフリカ諸国に進出する理由は、資源目当てであるという見方が強く、南アフリカ進出も金・ダイヤモンドなどの鉱山資源を狙ったものである可能性が高い。

加えて、アフリカでの中国による開発は中国企業を中心として行われ、現地で雇用が生まれないなどの問題が起きており、経済の相互発展が望めない状態だ。こうした中国の動きに対し、地元産業が打撃を受けているという住民による反発の声も多い。

中国のアフリカ進出は、戦前の欧米諸国の植民地支配の動きに似ている。ナイジェリアの中央銀行総裁であるラミド・サヌシ氏は、昨年フィナンシャル・タイムズ紙で「アフリカは中国に対する幻想を捨て、中国をパートナーであると同時にライバルで、植民地時代の宗主国と同様の搾取を行う能力を持つ国と見るべきだ」と警鐘を鳴らしている。

こういった中国の一連の動きに対して、南アフリカ共和国初の黒人大統領であるネルソン・マンデラ元大統領ならばどう考えるだろうか。

大川隆法・幸福の科学総裁は2013年12月、当時亡くなったばかりのネルソン・マンデラ氏の霊を招霊。同氏の霊は、中国に対して以下のように述べている。

「彼らは、自分たちの国を産業化するための鉱物などの地下資源を求めているだけです」「彼らの心のなかには、人々への愛も慈悲もなく、神からの指導も受けていません。単なる独裁です」「ぜひ彼らに、自分たちの帝国主義を反省させてください」

アフリカの発展には、中国のように資源を採ることだけを考える国ではなく、貿易・投資のパートナーとなってくれる国が必要だ。第二次大戦でアジア諸国を欧米諸国の植民地支配から解放した日本こそ、中国を反省させ、アフリカ諸国のよきパートナーとなることができるのではないだろうか。(冨)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『ネルソン・マンデラ ラスト・メッセージ』 大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1075

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