9月10日は、世界保健機関と国際自殺防止協会が制定した「世界自殺防止の日」。自殺に対する注意・関心を高め、自殺防止のための行動を促進するのが目的だ。日本でも、自殺防止の呼びかけはまだまだ十分とは言えない状況が続いている。

東京都教育委員会はこのほど、東京都西東京市と墨田区、大田区の小中学生の自殺が7月末頃から続いていることを受け、さらなる連鎖を防止するため、53区市町村の教委の指導事務担当者を集めて臨時会合を開いた。9日付東京新聞などが報じている。

都教委の金子一彦指導部長は、「極めて憂慮すべき事態で、今後絶対に防止する」と強調。全児童、生徒の心理状態を確認するよう指示した。その際、都教委が作成したチェックリストを活用するよう呼びかけた。

自殺の連鎖や後追い自殺はこれまでにも、いじめ自殺が大きく報道された後や、人気のあるミュージシャンが自殺した後などに起きている。つらい状況にある子供などがニュースを見て、「自殺すれば自分も注目される、分かってもらえる」と想像するため、自殺が連鎖してしまうと分析する人もいる。

さらなる自殺を防止するための対策として、子供の心理状態をチェックするのもいいが、根本的には、霊的人生観を教えることが急務だ。人間の本質は魂であり、この世とあの世を生まれ変わりながら経験を積むことで人生修行をしている。人生は、神仏から与えられた貴重な修行の機会であるため、それを自ら放棄する自殺は明確な悪である。死んでも決して楽にはなれず、本来の寿命が来るまで地上をさまようケースが多いという、厳然とした事実がある。

先生は児童に、こうした霊的真実を踏まえて「自殺がなぜ悪いか」を日頃からきちんと教えることが大事であり、そのためには神仏への信仰心が前提となる。

しかし、学校の先生自身がうつなどを契機として自殺する事件もしばしば報じられる。先生自身が自殺することは、子供に対して「苦しければ最後は死ねばいい」というメッセージを与えかねず、極めて問題だ。

子供の自殺を止めるには、何よりもまず、先生自身が霊的真実を学んで、「自殺はなぜいけないのか」を理解する必要がある。(居)

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