今年4月に実施した全国の小学校6年生と中学3年生を対象とする全国学力テストの結果が公表された。都道府県別の結果では、毎年最下位の成績が相次いでいた沖縄が、小学校で最下位を抜け出した上、算数Aで全国6位の成績となったことが注目されている。

沖縄県は、全国トップクラスの成績を続ける秋田県と教員の交流を行い、効果的な板書法も取り入れた。また沖縄県教委の学力向上担当の職員が、学力向上の取り組みを続けて最下位を抜けだした高知県を視察。さらに、「学力向上推進室」の指導主事が県内の小学校半数以上を訪問するなどの取り組みを続けた。

今回の学力テストから変わったのは、市区町村の教育委員会が学校別の成績を公表できるようになったことだ。これまでは、各学校のみがテストの結果を公表できるルールだったが、市区町村長の中から「地域への説明責任を果たせない」との声が複数上がっていた。公教育も行政サービスの一つと考えれば、各市区町村の長には、学力の向上に対する責任がある。その意味では、公教育に関する成果報告の義務があるのは当然だ。

市区町村が学校ごとの結果を公表すれば、地域の目が学校に向けられ、学校教育や運営の透明性が増す。それは、さらなるサービスの向上を招くことは確かだろう。

今のところ、テスト結果の公表は義務付けられてはおらず、各市区町村・学校の意向次第だ。そのため、結果の発表が学校の序列化につながることを懸念し、学校ごとの結果の公表をしなかったり、学校に公表を指示しないという方針を出している市区町村もある。

しかし、子供を学校に通わせる親の立場で考えれば、その学校のサービスレベルの指標である学力テストの結果は当然参考にしたくなる。「序列化」という批判を、教師が何もしないで済む隠れ蓑にしてはならない。情報公開によって学校間の切磋琢磨や教師の努力が生まれ、教育の質が向上することを肯定すべきだ。(晴)

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