厚生労働省研究班の調査で、日本でギャンブル依存症の疑いのある人が536万人に及ぶという推計を発表した。これは成人の5%にあたり、他国の平均1%に比べて高いという。また、アルコール依存症は初めて100万人を超えて109万人となり、ネット依存症は5年前の調査から1.5倍増えて421万人になった。

研究班は、ギャンブル依存症の患者の多さの原因として「パチンコやパチスロの普及」が影響しているのではないかと分析。また、アルコール依存の女性患者が急増している要因について、「女性の社会進出や、女性の(酒類の)消費拡大を狙うメーカーの競争」を挙げた。さらに、スマホ依存の原因については、「スマホの普及でネットに接続できる機器が増えたこと、ネット上のコンテンツが豊富になったこと」などを挙げた。

いずれも、依存対象にいつでも「アクセス」できる環境が整っていることが原因という。

確かに、そうしたものが身近に溢れていれば、依存に陥るリスクは高まるかもしれない。ただ、同じ環境にあっても、依存症に陥る人と陥らない人がいることを考えれば、原因は別のところにありそうだ。

依存症の治療は、集団療法や認知行動療法などによるものが主流で、現代医学では解決し切れていない。それは、依存症が唯物的な問題よりも、一人ひとりの人生観や心の傾向性と深く関係しているからだろう。

ギャンブルやアルコールなどの依存症を宗教的な視点で分析すると、それらにハマって抜け出せず、「執着」している状態にあたる。その執着の原因の大半は、家庭や職場などで抱えるさまざまな問題に対して、ストレスを紛らわせようとする「心」にあるはずだ。

特に依存症が深刻化すると、人格が変わるなどして、手を付けられなくなる。その場合、本人の意識と同通して寄ってきた悪霊の意識が表面化し、暴れている可能性が高い。ここまで来ると、現代医学では対応しきれず、宗教的な解決が必要になる。

新たな「ネット依存症」に関しても、大切なのは「欲を断つ」ことだ。ネットには雑情報が大量に流れているが、質の高い情報はほんの一握り。気づいてほしいのは、ネット依存になると、健康や生活に支障が出て、人生の貴重な時間を奪われていくということ。「自分にとって何が大事か」という価値判断を明確にするためにも、日々、反省行や瞑想行という宗教的なアプローチで心を穏やかに見つめる必要がある。

いずれの依存症を解決するにも、まずは自分自身で「今、自分は○○に執着している」と自覚すること、その上で、「これは重要だ」などと主体的に選択し、必要のないものを切り捨てる勇気が必要だ。酒やギャンブル、ネットに翻弄される人生ではなく、自らハンドルを握り、コントロールできる人生を送るためには、やはり、宗教的なアプローチが必要になる。(晴)

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