いわゆる「脱法ハーブ」を吸引した人たちが、相次いで交通事故を起こしている。
東京のJR池袋駅付近で6月27日、脱法ハーブを吸った男が車を暴走させ、8人が死傷した。これを受けて政府は今月8日、関係閣僚会議で薬物規制や摘発の強化を検討。しかし、まさに同日、宮城、愛知、東京で同様の事故が3件起きた。さらに、10日には東京都立川市で、車が電柱に衝突し、運転手の男性が死亡した。車内からは、脱法ハーブの袋が見つかった。
脱法ハーブとは、覚せい剤や大麻と似た作用のある化学物質を植物片にまぶしたもの。種類によっては、覚せい剤や大麻よりも危険だが、「脱法」という名前が「合法」を連想させ、気軽に手を出す若者が増えている。今回の相次ぐ事故で、脱法ハーブが日本社会の病理として表面化した形だ。