8月8日付各紙朝刊から注目記事を拾い読み。

縮む日本?(朝日新聞)

日本の少子高齢化が進んでおり、国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、対策を取らないままでは、100年後の日本の人口は約4300万人に減るという。超高齢化に伴う介護問題などについて論じている。

⇒国連は2100年の世界人口が109億人に達すると予想しており、日本以外の先進国は少子化対策をとっているため、人口増の見込みだ。「世界の中で縮み、消えていく日本」というイメージが強く打ち出されているのが気になる。日本についても、人口増加政策によって違う未来が描けるはず。若者に希望を与える記事を出してくれると嬉しいものだ。

ポル・ポト派元最高幹部に終身刑

1976年から79年にカンボジアで、共産主義思想を国民に強制した元ポル・ポト政権は、都市部の知識人を農村に強制移住させるなどし、重労働や拷問で約200万人を殺したとされている。カンボジアの特別法廷は7日、強制移住に責任があったとして、元最高幹部のヌオン・チア氏とキュー・サムファン氏に終身刑を言い渡した。

⇒すでに35年が経過しており、高齢となった被告らは、結審が先か寿命が先かという状況だという。宗教戦争など、宗教は戦争の原因になると言われることがあるが、ソ連や中国、カンボジアなど、無神論の共産主義政府の時に、ケタ違いの規模の粛清が起きたことは教訓にすべきだろう。

無人潜水艦を日米で共同開発(読売新聞)

中国海軍の潜水艦技術の近代化に伴い、中国海軍の情報収集のため、日本の防衛省と米軍は、無人潜水艦を共同開発する方針を固めた。無人潜水艦は武器を搭載せず、設定された航路を約30日間ソナーなどで探査し、帰還すると想定されている。長時間運航するために必要な、水素と酸素を用いる高性能な燃料電池の開発をまず行う。

⇒中国が、初の国産空母「遼寧」を実際に外洋で運用するためには、潜水艦の護衛が欠かせない。中国軍事専門家の平松茂雄氏によると、中国は日本周辺の海域を科学調査と称してくまなく探査しており、潜水艦を運用するための海図をすでに準備しているという。無人潜水艦を始めとして、日本は、海洋上の国防を強化する必要がある。

日米欧レアアースで勝訴

中国のレアアース輸出規制に対して日米欧が世界貿易機構(WTO)に共同提訴した件で、WTOは7日、日米欧の主張を全面的に認めた。中国は今後、半年から1年以内に是正措置を取る必要があり、これを履行しなければ日米欧は関税の引き上げなどをすることができる。

⇒2010年の尖閣諸島での衝突を機に、中国はレアアースの禁輸措置を取り、日本の産業はダメージを受けた。中国は自国の資源や経済力を背景に、領有権問題などで主張を押し通そうとするが、今回のWTOの判断は、中国のこのやり方は国際社会では認められないという強いメッセージになるだろう。(居)

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2014年8月号記事 日本はアジアの警察官たれ 東南アジアは「盟主」を求めている

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2014年4月4日付本欄 レアアース輸出規制の中国がWTOで敗訴 日本は国際社会で連携を取り中国を牽制せよ

http://the-liberty.com/article.php?item_id=7636